児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ規制条例案に係る事前協議に対する京都地検の見解等について

 いわゆる検察協議で、検察庁から問題点が指摘されています。
 国法で単純所持が規制された場合は、条例は機能しないと思われます。

児童ポルノ規制条例案に係る事前協議に対する京都地検の見解等について(H23.8.1)
1 京都地検の見解
事前協議頂いていだ京都府条例案について、本所(法務局)とも協議しだ結果、次のような課題が見受けられるちのの、現行の児童ポルノ規制法において、法に定めのない規制(単純所持等〉を条例で制定することを禁止する規定がないため、京都府の条例制定行為が明らかに違法であるとは言い切れないとの判断に至った。
【課題】
徳島市公安条例に係る判例を参照し、本条例は問題ないのか。
② このような条例は、他に例がなく、一方で法律改正の動きもある中で、時期尚早ではないか。
③ 規制の内容等が憲法に抵触(個人の自由等〉する怖れはないのか。
2 その他
児童ポルノ規制法の改正案について、今国会で民主党から提案される見込みである。民主党内に単純所持に対して強い反対意見が出ており、毀損の単純所持を規制している条例(奈良県条倒〉の刻力を失効させる内容を盛り込んだ法案となる公算が大きいと間いている。
仮に民主党案が成立すれば、府で条例規制を定めても、その苅力が失効してしまう可能性があることを御承知おき願いたい。
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児童ポルノ規制条例案に係る京都地検との意見交換について(H23.9.21)
2 主な発言内容
京都府
内容> 児童ポルノ規制条例の罰則の適用について、警察から事件送致された揚合、検察庁ではどのような取扱いがされるのか。
【検事】
当然ながら警察から事件送致されれば受理を拒否することはないが、最終的に起訴するかしないかは検察庁の判断となる。
 国の法改正や条例を制定する都道府県が増えるなど、児童ポルノ規制に対する社会の意識の高まりがあれば条例の適用がしやすくなるが。。。
従って、検察庁としては、まずもって起訴できるだけの十分な証拠があるかどうかが大事であり、罰則の適用ができるかどうかは警察の頑張り次第ということである。
 特に児童ポルノ事案については、画像に写った被写体の年齢の特定が難しいため、送致しても不起訴となる場合も多い。罰則の適用には、確実に被写体となった児童の年齢を特定しておくことが必要である。