児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

リベンジポルノ Revenge pornについての表向きのコメント

 世間受けを考えると

名訴毀損罪の守備範囲について、プライバシーを除くと考えていて、死者の保護は弱いと考えている刑法の立場としては、死後のリベンジポルノは刑法では全く保護されていない。時代遅れだ。刑法の改正が必要だ

と言った方が、批判を受けないと思いますが、こうコメントする人は名誉毀損の学説や実務を知らない人です。

 実際には

リベンジポルノの判例・裁判例
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20131009#1381462148

リベンジポルノの適用罪名
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20131014#1381582687

リベンジポルノの処罰に使えそうな文献
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20131009#1381753541

という蓄積がありますので、奥村は個人的には、既存の罰条で、対応可能と考えています
 サンデー毎日にはこうコメントしています。

【コメント】
 今回の事件では、容疑者が逮捕直前、沙彩さんとのプライベート画像などを投稿したサイトのアドレスを公開したことで、ネット上は騒然とした。
 こうした問題に詳しい奥村徹弁護士はこう話す。
「元彼が交際していた彼女の写真などを腹いせのためネットに公開してしまうケースは増えている。デジカメと携帯電話の普及で素人でも撮影画像をすぐさまネットにアップできるためだ。これは世界共通の問題。日本でも悪質な場合は名誉毀損罪に問われるケースが出て来ている。ただし、ネットに1度アップされてしまうと拡散して事実上止められない。予防策は、うかつにプライベート写真や動画を撮らせないことに尽きる」(了)
サンデー毎日


 撮影時に18歳未満の場合は児童ポルノの問題がでてきますし、当時の淫行については青少年条例違反の問題も出てきます。
 名誉毀損罪になるという大阪高裁の判例もあります

http://wired.jp/2013/10/08/first-bill-banning-revenge-porn-passes-in-california/
IsAnybodyDown?は2012年4月に閉鎖、IsAnybodyDown?は2013年4月に閉鎖されたが、どちらも恐喝に似たビジネスモデルで運営されていた。
ヌード画像が、被写体の許可なく、身元がわかる情報とともに投稿される(多くは、離婚した元配偶者や、別れた元恋人の写真だ)。その画像を消去するには、お金を出すしかなかった。IsAnybodyDown?の場合、そのお金はサイトのオーナーだったクレイグ・ブリテンに渡っていたようだが、同氏は最後までそれを否定していた。

法案を提出したアンソニー・カネラ上院議員共和党)は、「これまで被害者を守る法律がなかった」ため「あまりに多くの人々が、かつて信頼していた相手の行為によって生活を混乱させられた」と述べた。

今回、カリフォルニア州では、「嫌がらせを意図して」ヌード写真をネットに流通させると、最大で6カ月の禁固か1,000ドルの罰金が科されることになった。(カリフォルニア州には、無許可で撮影した他人の写真を投稿するのはプライヴァシー侵害だとして禁止する法律はこれまでもあった。だが新法の下では、同意の上で撮影された写真であっても、写った人の同意なく投稿されれば違法とみなすことになる)

リヴェンジ・ポルノのサイトは多くの場合、通信品位法(CDA)の230条を盾に取り、侵害的内容を投稿したのはユーザーの責任であり、その責任をサイトが問われることはないと主張していた。

http://www.forbes.com/sites/ericgoldman/2013/10/08/californias-new-law-shows-its-not-easy-to-regulate-revenge-porn/
California enacted a new law against “revenge” porn, sometimes called “involuntary” porn. The law says it is “disorderly conduct” for a defendant to take intimate and confidential recordings, such as photos or videos, and then distribute them to intentionally cause serious emotional distress to the victim.

http://www.theguardian.com/world/2013/oct/02/revenge-porn-outlawed-california
California governor Jerry Brown has signed a bill outlawing so-called revenge porn and levying possible jail time for people who post naked photos of their former partners.

The bill, which takes effect immediately, makes it a misdemeanour to post identifiable nude pictures of someone else online without permission with the intent to cause emotional distress or humiliation. The penalty is up to six months in jail and a $1,000 (£620) fine.

 報道もありますよね。

強要未遂:女性にメール 容疑で西条市職員逮捕 /愛媛
2013.08.10 毎日新聞
 西条西署は8日、西条市丹原総合支所建設管理課主任を強要未遂容疑で逮捕した。容疑は7、8日、市内の無職女性(46)に携帯電話のメールで「出てきなよ」「写真をばらまく」などと十数回送信して無理やり会おうとしたとされる。
 同署によると、容疑者は容疑を認めている。女性と昨年末に知り合い、その後、交際していたが、5月ごろから女性がメールに応答しなくなっていたという。


女性への強要未遂容疑で男逮捕
2013.07.26 中日新聞
 逮捕容疑では、十五日、インターネット交流サイト「ミクシィ」を利用し、横浜市旭区の無職少女(19)に「五万円でエッチしてくれないと裸の写真をばらまく」などとメールし、脅したとされる。
 署によると、容疑者は容疑を認めている。容疑者は約五年前に援助交際で少女と出会った際、少女の裸の写真を撮影していた。「ミクシィ」に実名で登録している少女を見つけ、メールした。


 交際女性の脅迫容疑で逮捕
2013.04.17 中日新聞
 逮捕容疑は、3月26日午前1時5分ごろから同6時20分ごろにかけ、交際中の同市の会社員女性(53)に電話で複数回にわたり「裸の写真をばらまく」などと脅したとされる。容疑を一部否認しているという。
 署によると、容疑者は女性に冷たい態度をとられて立腹。養老町内にある女性の複数の関係者宅に写真をばらまいたため、女性から同7時20分ごろ通報があったという。


職員 脅迫容疑で逮捕 メールで元交際相手=兵庫
2012.11.21 読売新聞
 発表では、容疑者は10月27日午後9時25分頃、交際していた小野市内の会社員女性(28)と携帯電話のメールで別れ話になり、やりとりの中で「裸の写真をネットにばらまく」「情報を職場でぶちまけるから覚悟しろ」などと脅した疑い。容疑を認めている。
 容疑者は教育相談員として子どもや保護者の相談を担当していたという。

女性の裸投稿 名誉毀損容疑*NPO理事長逮捕
2012.11.09 北海道新聞
 逮捕容疑は6月18日、交際していた30代の女性の裸を写した画像4枚を自宅のパソコンを使ってインターネットのサイトに投稿し、女性の名誉を毀損した疑い。容疑者は「女性と一緒に酒を飲み、目の前で投稿した。名誉毀損にならない」と一部否認しているという。
 同署によると、7月に女性が同署に相談して、発覚した。同容疑者が理事長を務める法人は「北海道若者育成機構 みらい」(江別市)で、引きこもりや不登校の生徒らを支援している。


 少女の裸撮影させた疑い
2012.11.02 中日新聞
 逮捕容疑では8月13、19の両日、インターネットのサイトで知り合った県内の少女に携帯電話のカメラで裸の写真を撮影させ、自身の携帯電話に送らせて保存したとされる。
 同署によると、容疑を認めている。少女に交際を断られた諏訪下容疑者が「写真をばらまく。殺して海に沈める」などと脅迫。少女と保護者が被害を届けていた。


元交際相手の母を脅迫=島根
2012.08.26 読売新聞
 津和野署は25日、津和野町、製造業会社員の少年(19)を脅迫の疑いで逮捕した。発表によると、少年は同日午前4時頃、鹿足郡、臨時職員の女性(41)宅の玄関ドア付近に「娘の写真をばらまかれたくなければ、今すぐ体育館に来い」などと書いたメモを置いた疑い。少年は容疑を認めている。
 同署によると、同日午前4時20分頃、女性から「玄関のチャイムが鳴らされて怖い」と通報があり、署員が玄関の外にいた少年を見つけた。少年は以前、女性の娘と交際しており、連絡先を知りたかったという。