児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性的合意年齢引き上げとか、単純所持罪とか

180-衆-青少年問題に関する特別…-3号 平成24年06月19日

平成二十四年六月十九日(火曜日)
    午後二時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 川村秀三郎君 理事 笹木 竜三君
   理事 竹田 光明君 理事 道休誠一郎
   理事 柚木 道義君 理事 あべ 俊子君
   理事 松浪 健太君 理事 池坊 保子君
      川口  浩君    橘  秀徳君
      富岡 芳忠君    初鹿 明博君
      松岡 広隆君    三宅 雪子君
      室井 秀子君    森山 浩行君
      山崎 摩耶君    山田 良司君
      小渕 優子君    棚橋 泰文君
      馳   浩君    宮本 岳志君
      小林 正枝君    吉泉 秀男君
    …………………………………
   国務大臣         中川 正春君
   内閣府副大臣       後藤  斎君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房少子化・青少年対策審議官)    伊奈川秀和君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 杵淵 智行君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  岩瀬 充明君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     原口 亮介君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           上月 正博君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           関  靖直君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           有松 育子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           石井 淳子君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  生田 正之君
   衆議院調査局第一特別調査室長           横尾 平次君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 青少年問題に関する件
     ――――◇―――――

○あべ委員 自主性といいながら、では、そこの部分が、教育委員会との連携のところが非常に曖昧な部分もあって、今有松さんがおっしゃった子どもゆめ基金、これは今の与党によって事業仕分けにあったものでございますが、子どもゆめ基金は子どものものでございまして、青年団にすごく直接連携するものではないので。私が文部科学省に事前に資料を要求いたしましたときにこれもセットで来たので、事業仕分けについて文句を言ってほしいというメッセージだったのかどうか私はよくわかりませんが、言っていただくのなら大臣に直接言っていただければいいと思うわけであります。
 いずれにしても、ちょっとここのところの、教育委員会と、さらには、以前ありました教育基本法の部分からかなり青年団に対する位置づけが曖昧になってきたことを考えたときに、また続けていろいろな問題点を指摘させていただきたいというふうに思うわけであります。
 次の話題に移らせていただきます。
 大臣にあらかじめ通告してありますが、刑法における百七十七条の強姦罪でございます。
 この強姦罪に関しまして、性的合意年齢が十三歳というのがございますが、大臣、これに関してはどういうふうに感じられますか。

○中川国務大臣 性犯罪への厳正な処罰と、それから被害者の保護を図る観点から、第三次男女共同参画基本計画におきまして、性交同意年齢の引き上げ等の強姦罪の見直しを検討していくということになっております。
 そういう意味で、若年層の保護が図られるような検討を積極的にやっていきたいというふうに思います。

○あべ委員 積極的に、大臣、どちらの方向に行くんでしょうか、この性的合意年齢に関しましては。

○中川国務大臣 私自身の個人の思いと、それから、この議論をしていく中でそれぞれ専門家も含めた法律上の議論と、それぞれあると思います。私、個人的には引き上げということなんだと思うんですけれども、直接の担当ということでもありませんので、側面からまた議論に加わっていきたいというふうに思っております。

○あべ委員 政府参考人が来ておりますので、この強姦罪の十三歳というのがいつごろ決められたか、答えることができますか。
 ちょっと無理ということでございましたので、実は明治以来変わっていないことでございまして、昔は、ねえやは十五で嫁に行きとか歌にございますように、いろいろなことが早かったわけでございますが、私、中川大臣と同じように、この性的合意年齢が十三歳というのは余りにも低いというふうに思っております。
 性犯罪に関していろいろ議論がされているのは中川大臣も御存じだというふうに思います。この合意年齢、特に児童福祉法に関しては十八歳になっているものに対して、それとは必ずしも連動しないんだという御意見も確かにございますが、では、合意年齢が十三歳でできるのかということを考えたときに、子どもたちを守るという視点から、青少年特別委員会ではしっかりと議論を進めていくべきだと私は思っておりますが、中川大臣、いかがでしょうか。

○中川国務大臣 先ほど申し上げたように、これは刑法ということになりますので、基本的には法務省において検討していただくということでありますが、この委員会でも大いにその議論を高めていただきたいというふうに思います。

○あべ委員 ありがとうございます。
 いろいろな団体から、これは年齢の引き上げをすべきだという意見の方が私のところには多く入っておりますが、なぜずっと放置されてきたのか。立法府にいる我々の大きな責任ではないかと思っているところでありますので、ぜひとも、国会が延長されれば、この青少年特別委員会の中でこの問題に関しても取り組んでいきたいというふうに思います。
 最後の質問になりますが、児童ポルノに関してでございます。
 私、前回、平成二十三年の十月二十五日に青少年問題特別委員会で質問させていただいたわけでございますが、中川大臣、この児童ポルノに関して、何か知っていること、また、思っていらっしゃることがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

○中川国務大臣 基本的には、この児童ポルノというのは、児童の性的搾取、性的虐待の記録であって、児童の権利を踏みにじる、断じて許しがたい行為だというふうに思っております。
 私自身も、いわゆるブロッキングのインターネット・ホットラインセンターに行ってまいりました。そこで、実情、どういうことがネット上にアップされているかというのを見てきたんですけれども、たまらない思いをいたしました。
 だから、そこは、業界の自主規制というようなことを前提に進めているわけでありますが、さらにこの対策というのはさまざまな見地から考えていかなければならないというふうに思っております。

○あべ委員 大変、中川大臣の子どもたちを守ろうという思いが伝わる、いい、すばらしい答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 ところが、大臣がいらっしゃる民主党の児童買春、児童ポルノ禁止法改正案は、私どもの自公案と違って単純所持の禁止が盛り込まれていないんです。大臣、御存じでしたか。

○中川国務大臣 事前にちょっとブリーフをさせて、整理をしてきたんですけれども、一つは、有償かつ反復して取得した者に対して一年以下の懲役または百万円の罰金という規定で、民主党の案があるわけですね。それに対して、自公で出していただいた案については、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者、そして児童ポルノに係る電磁的記録を保管した者が一年以下の懲役または百万円の罰金ということでございますので、ここは、話し合いの上で何とかまとめていただいて、法案として成立をさせていただくということでいけるんじゃないかというふうに思うんですね。
 よろしくお願いをしたいと思うんです。

○あべ委員 ぜひ、話し合いをして、私はこれを進めていかないといけないと思っているんですね。
 特に、ことしの六月二日に、スウェーデン大使館の主催で第三回児童の性的搾取に反対する世界会議というのがございまして、このフォローアップセミナーでございますが、スウェーデン国の王妃のシルビア陛下が、児童の性的搾取の問題を否定したり、目を背けたり、傍観することは、子どもたちの性的搾取の貢献する行動の一つであり、今、具体的な行動を起こさないのは、子どもたちを虐待するのと同じことですという強いお言葉をいただいたわけでございます。そのときに、一九九九年にスウェーデンで犯罪化された児童ポルノの単純所持が日本でまだ法制化されていないことにもお触れになられました。
 ということは、単純所持ということはもう国際的にも常識になっているのに、有償、反復、これは議論の余地なしでございます。単純所持に関してしっかりと問題であるということをやっていかなければ、例えば、DVDに載っちゃった、ネットに載っちゃった、有償でない、反復でないからといって、その児童の被害の場面が皆さんのところに行ったときにそれが処罰されないというのは、私は本当に児童虐待になるのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

○中川国務大臣 何とか話をまとめていただいて、一歩でも二歩でも進めていただくということで期待を申し上げておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

○あべ委員 大臣、一歩でも二歩でも話し合うんですが、どちらの方向に、単純所持の方の、それをどのようにお考えかということは大臣に私はお聞きしたいのです。

○中川国務大臣 恐らく、それぞれの党でさまざまな議論があって、その上で、こうした形で両党の成案というのがまとまってきているんだろうというふうに思います。
 私としては、今の現状でおさめていくというよりも、やはり所持ということに対して何らかの規制をかけていくという、ある意味では国際基準だと思うんですが、それに近づけていくような、そういう合意というのをぜひつくり上げていただきたいというふうに思います。

○あべ委員 やはり、さすが国際派の中川大臣でございます。
 国際的にこの日本が児童ポルノ大国と呼ばれるのは、私は本当に憤慨でございまして、日本とほかにもう一国ございますが、先進国の中では児童ポルノが非常に前面に出ていて、子どもたちの虐待が非常にされているところではないかみたいなことを海外に出て言われるのは、本当に憤慨でございます。
 大臣は国際派でいらっしゃいますから、その辺の日本の位置づけに関して、国際的に日本がどういう立場にあるかということに関しても、ちょっとお答えいただけませんでしょうか。

○中川国務大臣 国際的には、日本の今の現状というものに対して、絶えず批判あるいは改善を求める勧告というのがなされてきたというふうに理解をしておりまして、そういうこともしっかり認識をした上で議論を進めていくべきだというふうに思います。

○あべ委員 大臣、本当によろしくお願いしたいというふうに思います。
 その国際的に批判されている児童ポルノに関して、実は、私が児童ポルノに関して質問した瞬間から、さまざま、ネット上、またファクスも入りました。
 しかしながら、私は、子どもたちを守る、それも、自分たちが本当にわからない、判断ができる状態でない者が、有償、反復でないと罪にならないという、単純所持の部分の禁止が出ない限り、子どもたちを守ることができない。やはり、そういうことに対して子どもたちの人権を守っていくんだというのが、私は、大臣の所信表明にもございましたように、大切な部分だと思っておりますし、ネット上の情報が、情報リテラシーといいますか、そこができていない子どもたちがさまざまな情報をとっていくということは、私は本当に大きな問題だと思っております。
 実は、先般、平野文部科学大臣のところにも、私ども自民党文部科学部会の性教育プロジェクトチームから申し入れをさせていただきました。特に、高校生ぐらいの女の子たちの性感染症が十人に一人ぐらいいるという調査もございまして、やはり性教育をもっとしっかり全面的にやっていかなければいけないという形で、私は、性交渉に関して、勧めるとかそういうことではなく、事実として何があるのかということを子どもたちが知っていくことは重要だと思っておりまして、ここに関しても文部科学大臣にお願いをしたところであります。
 青少年特別委員会といたしましても、子どもたちを守るという観点から、大臣、ぜひ御一緒に頑張ってまいりたいと思います。
 きょうはありがとうございました。