http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000417120090403004.htm
衆議院法務委員会平成21年4月3日 第4号
三月十八日
児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願(保坂展人君紹介)(第一〇七〇号)
同月三十一日
児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願(枝野幸男君紹介)(第一一八五号)
は本委員会に付託された。○富田委員 法務大臣のお人柄が出て、すばらしい答弁だというふうに思います。
最後、ちょっと時間がありますので。
与党あるいは民主党の方から児童ポルノ法の改正案が今提出されておりまして、今後、各党間協議をぜひ進めたいなというふうに思っております。
ただ、民主党の案を見させていただきましたら、定義規定のところで、現行法でこういう場合が児童ポルノに該当しますよというのが第二条に書かれておりまして、第二条の三項に「この法律において「児童ポルノ」とは、」というふうに書いてありまして、一号、二号、三号と規定があるんですが、民主党の案では、この三号の「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」というのを削除するというふうにされています。現行法上、この二条三項三号で、どういう場合が適用事例としてこれまで検挙等をされていたのか、ちょっと教えていただければというふうに思います。
○大野政府参考人 二条三項三号を適用して処罰がなされた事案としまして、例えば、半裸あるいは全裸の児童に姿態をとらせ、ポーズをとらせて、陰部を見せる、それをカメラ撮影して児童ポルノを製造する事案というのがあります。あるいは、脱衣場で着がえ中の児童の全裸を盗撮して、児童ポルノ提供目的で製造した事案というのもございます。それから、現在公判係属中の事案でありますけれども、十六歳の児童に極めて小さい下着や水着を着用させて、性器等の周辺部分を強調した写真を撮影して、児童ポルノを提供目的で製造した事案、これらが今御指摘のあったようなケースに当たると考えております。
○富田委員 今局長の方から説明していただいた中で、脱衣場の盗撮等が、どうも私の感覚では、民主党案の中でこの三号を削除してしまうと、そこが入らなくなってくるんじゃないかなというふうに思います。これは今後各党間の協議の中で明らかにしていく必要があると思いますので、御指摘だけさせていただきたいと思います。
最後に、与党案は児童ポルノの単純所持の禁止を大きく掲げていまして、民主党さんの案は取得罪を新設しようというような流れになっています。ただ、今回こういう改正の動きが出てきたのは、そもそも、単純所持を処罰してもらいたいというふうなNGOの皆さんの強い要望から与党PTが立ち上がって議論してきたという経緯があります。
法務省として、今後各党間の協議が始まると思うんですが、NGOの要望とかを受けて、今後どういうふうに法務省として児童ポルノ法等の改正に取り組まれるのか、最後に大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○森国務大臣 まず、児童ポルノについての認識でございますけれども、インターネットが普及をいたしまして、画像というのがとにかく世界じゅうに、また半永久的に流出し、取得できるという状況になっておりまして、これは特に児童に一生心の傷が残る問題であるというふうに思っております。したがって、これについて何とかしなきゃいけないという問題意識は持っております。
そういう状況の中で、規制のあり方については種々の議論がなされておって、与党からは、先ほど言及されました法案が現在衆議院で継続中でありますし、また、このたび民主党からも同名の法案が提出されているわけでございまして、私は、個人的に言えば、そんなに乗り越えられない壁があるとは思っておりませんけれども、いずれにしても、法務省としては、国会において児童ポルノの撲滅に向けた実りある御議論をしていただくために積極的に協力をしてまいりたいと思っております。
○富田委員 ありがとうございました。終わります。