児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

町民が逮捕されると義援金辞退?

 町が反応するとすれば、被害児童の救済とか、町民の児童のケアを厚くするという方向じゃないですか。法律上の義務だし。それはやらないわ、いらん反省はするわということになりますよ。
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110603-00000007-mai-soci
<福島第1原発義援金支給辞退で双葉町に抗議相次ぐ
 福島第1原発事故で福島県双葉町から埼玉県加須市に避難していた男が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で警視庁に逮捕される事件があり、双葉町が被災町民への義援金支給辞退を決めていたことが分かった。町民からは「なぜ辞退するのか」との抗議が町に相次いでいる。

 井戸川克隆町長は1日、約1000人が役場機能ごと避難する加須市の旧埼玉県立騎西高校での住民集会で事件に触れ、「おわびの気持ちから義援金を辞退する」と表明した。出席していた議員からは「聞いていない」「辞退はおかしいのではないか」との声も上がったという。
 突然の「辞退」は2日、双葉町民約760人が避難する福島県猪苗代町のホテルにも伝わった。会社員の蜂須賀(はちすか)勝さん(52)は「義援金は困窮する町民にとって切実なものなのに、なぜ役場が勝手に辞退を決めるのか」と憤った。同町秘書広報課は「手続きや周知方法に特に問題はないと考えている」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110603-00000032-jnn-soci
双葉町によりますと、事件を受け井戸川克隆町長は1日の町民との対話集会で、「おわびの気持ちから今後、個人から提供される義援金は受け取らない」と話したということです。
 しかし町議会の議員や町民からは、「なぜ勝手に決めるのか」「1人の町民の逮捕で全町民が義援金をもらえないのはおかしい」などと抗議の声が上がっています。(03日11:40)

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E2E1E2E3918DE2E1E2E4E0E2E3E39191E2E2E2E2
双葉町民逮捕で「義援金を辞退」 町長、住民に説明
2011/6/3 12:51
 埼玉県加須市の旧県立騎西高校に集団避難している福島県双葉町民の1人が、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)容疑で警視庁に逮捕されたことを受け、井戸川克隆町長が双葉町宛てに直接寄せられる義援金を辞退すると、町民に説明していたことが3日、町関係者の話で分かった。
 関係者によると、町長は1日、旧高校で開かれた町民との対話集会で事件に触れ「逮捕者が出た。義援金を今後、辞退する」と表明。出席者から「町職員や町議であれば理解できるが、逮捕は1人の町民。いかがなものか」「義援金は送る方の選択」との声が上がったが、町長は態度を変えなかったという。
 町に直接寄せられる義援金とは別に、国や県からの1世帯40万円の義援金の配分手続きはほぼ終了している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110603-00000466-yom-soci
出身者が逮捕で義援金を辞退する双葉町…疑問も
読売新聞 6月3日(金)11時44分配信
 東京電力福島第一原発の事故で、埼玉県加須市に避難している福島県双葉町は、同町出身の男が児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕されたことに反省の意を示すとして、町への今後の義援金について「6月1日からお断り申し上げます」と町のホームページ(HP)で告知した。

 この問題で、双葉町の井戸川克隆町長は1日、住民集会で義援金辞退を表明した。同町秘書広報課によると、辞退するのは町に直接持参される義援金。振り込み分や日赤など4団体からの「中央分」、福島県分として町に配分される義援金は含めないという。住民から「なぜ辞退するのか」と疑問の声も寄せられているが、同課は「方針に変更はない」としている

http://www.town.futaba.fukushima.jp/renraku_gienkinjitai.html
双葉町義援金受付について
 これまでの地元の皆様をはじめ国内、海外多くの皆様の温かいご支援に対し、心から感謝申し上げます。
 今後の義援金の受付につきましては、当方の都合により誠に勝手でありますが、6月1日からお断り申し上げます。
お問い合わせ先
 双葉町災害対策本部 義援金受付担当
 (双葉町埼玉支所 秘書広報課)
 電話:0480−73−6880

 ちなみに、町としてやるべき事は法定されています。やってないと思います。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
第14条(教育、啓発及び調査研究)
国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの提供等の行為が児童の心身の成長に重大な影響を与えるものであることにかんがみ、これらの行為を未然に防止することができるよう、児童の権利に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの提供等の行為の防止に資する調査研究の推進に努めるものとする。
第15条(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2 関係行政機関は、前項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
第16条(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。


追記6/8
 辞退撤回ということですが、行政としては、被害児童に見舞いなり心理的ケアという発想に転換してほしいです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110608-00000067-jij-soci
同町長は、加須市に集団避難していた男が5月25日に児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕された事件を受け、「厚い支援を頂いている中での不祥事には全体で責任を負う」として、民間からの義援金の受け付けを辞退していた。
 同町によると、辞退していた期間に義援金2件の申し出があったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110608-00000549-san-soci
義援金辞退のきっかけは、同校に避難していた同町の自称布教師見習いの男が警視庁に逮捕されたことだった。容疑は震災後の3月22、23日、女子高生に携帯電話で撮影した裸の画像10点を送信させたというもので、同町には「埼玉から出ていけ」などの非難のメールも寄せられた。
 これを受け、井戸川町長は今月1日、「町民の起こした不祥事のけじめ」として、町に直接寄せられる民間の義援金に限り、辞退することを表明した。
 しかし、現金収入のない町民もおり、「町長個人がもらったお金ではないはずだ」「独断で決めるな」などと井戸川町長の決定に不満の声が上がっていた。町民以外からも「1人の犯罪者のためにそこまでやる必要はない」など町長の判断に苦言を呈する電話やメールが7日までに計約300件寄せられたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110608-00000031-mai-soci
戸川克隆町長が7日、福島県猪苗代町の避難所での町民との懇談会で表明した。双葉町秘書広報課によると、全国から「義援金を辞退すべきではない」との意見が寄せられたという。5月25日の事件発生以降、実際に辞退したのは町に直接寄せられた2件だった。
 双葉町原発事故後に役場機能ごと加須市の旧県立騎西高校に避難。町民で自称祈とう師の男が東京都立高校の女子生徒に「生き霊を除霊するので裸の写真を送りなさい」と言って電子メールで写真を送らせたとして逮捕され、井戸川町長は6月1日、おわびとして義援金を辞退すると表明。町民からは疑問の声が相次いでいた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110608-00000487-yom-soci
町によると、同町出身の男が児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕されたことを受け、井戸川克隆町長が1日、住民集会で義援金の辞退を表明。7日までに2件の義援金の受け取りを断った。6日には埼玉県内のロータリークラブ関係者が500万円を持参したが、井戸川町長は「いろんな評価を地域から受けている。町や町民を守るためで本当に申し訳ない」と辞退したという。

 しかし、町民から「町民は手持ちの現金が少なく、町長が独断で決めるのはおかしい」と反発の声が上がっていた