児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

参議院法務委員会平成22年03月16日

 実質は強制わいせつ罪なんですけど、母親の処分(3項製造罪)は軽かったですよね。
 これは単純所持罪では解決できないし、どうして強制わいせつ罪が適用されないのかを考えてほしいところです。

[002/076] 174 - 参 - 法務委員会 - 3号
平成22年03月16日
○風間昶君 どっちにしても、どこかでセット論議にならざるを得ない部分も出るんです、現実的には。だから、そのことを全く別にずっと行くという話には私はならないと思うんです。だから、それは当然、手法の問題でいろいろあるんでしょうけれども、どちらにしてもそれとのリンクが強い中で可視化というのは現実に実現せざるを得ないような状況が出るということだけは指摘しておきたいと思います。
 次に、大臣の所信の中でちょっと気になったのは、国家公安委員長の方は当然その所掌であるからだと思うんですけれども、児童ポルノに対する、今回、去年もそうでしたけれども、宮城や東京で実の母親が子供のポルノ画像を撮影して、なおかつそれを販売するという事件が起こっています。
 国家公安委員長は、とにかく児童権利を著しく侵害する児童ポルノについては取締りを強化し、被害児童の……(発言する者あり)ちょっとうるさいぞ、こら。

○委員長(松あきら君) お静かに願います。

○風間昶君 取締りを強化し、被害児童の保護に全力を尽くしますと述べられていますが、千葉大臣の所信にはこの児童ポルノについては一切言及がございません。非常に私は残念な気がします。それは所掌でないといえばそれまでかもしれないけれども、これまでかつて一生懸命やってきた大臣にしては珍しいことをおやりになるなというふうに、つまり何にも述べられないのは、という気がいたしました。
 それで、どっちにしても、去年、イタリア、それから三年前ミュンヘンでG8の司法・内務大臣会合があって、そこで当時は事務次官警察庁の担当者しか行っていないんですが、児童ポルノに対する宣言が行われているんです、G8で。これ、御存じですか
国務大臣千葉景子君) はい、基本的なことは承知しております。

○風間昶君 中身知っていますか。

国務大臣千葉景子君) 細かいことはあれでございますけれども、児童ポルノとの戦いの重要性が強調され、あらゆる形態の児童の性的搾取を強く非難をしているものというふうに承知をしております。

○風間昶君 御存じだと思いますけど、これ議員立法で、現行の提供や公然陳列などの禁止に加えて、みだりに児童ポルノを持ったり保管をすることを禁止した法律案を出して継続協議になっているわけであります。私は、このことを考えると、やはりこの昨今の実母などによる児童ポルノの販売事件とか何かが起こってくると、これ非常にゆゆしき問題で、つまりは根本的には自分の子を慈しめない今の状況がいろんなファクターであるとはいえ、法的にもやはりきちっとそこは縛っていく必要があるんじゃないかというふうに思いますので、政府としては今後この法整備含めてどのような対策講じていくのか、お考えがあれば、考えがないんだったらこれ言語道断でありますけれども、教えていただければ有り難いと思います。

国務大臣千葉景子君) 私も、児童ポルノ事案が大変増加傾向にございますし、それからインターネット等の普及によって大変ゆゆしき事態が起きているということも認識をして、大変心は痛くしているところでございます。
 検察当局におきましても、児童ポルノ事犯に対しては厳正な科刑の実現に努めておりますし、法務省としても、検察に対してその経験年数に応じた研修等も実施して、これの事犯、児童ポルノ事犯に対する知識をしっかりと持つように、そして必要な的確な処罰をするようにということを浸透させているところでございます。
 そして、更なる法的な整備ということにつきましては、今、この問題について、この間、国会で大変論議が深まっておりまして、ほぼ議員の中での立法化の方向がおおよそ見えているというところまで至っているところだと承知をしております。
 そういう意味では、国会もやっぱり立法機関ということで大変熱心にお取り組みをいただいている、それを私どもも十分注視をしながら、そして必要でございますれば適切な協力をさせていただきながら、この問題の法整備が進展をするように努めてまいりたいと考えております。