国レベルでも「児童ポルノ排除対策ワーキングチームというのがあります。広義に言いますと、これ、かなり幅広く今の漫画、アニメの今言われている性表現も含めてこの中にあるのかなというふうに思いまして、こういう案件が出てきておりますので、それも視野に入れながら、この場での議論も深めながら、こういうことがどうあるべきかをしっかり議論してまいりたい」のだそうです
174 - 参 - 文教科学委員会 - 2号
平成22年03月16日
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
スキーがもし伝統的なメジャーなウインタースポーツだとしますと、ボードというのは言わばそのサブカルチャーとして出てきたものであって、サブカルチャーというのには一つの大変なエネルギーがあると同時に、ある種の、反体制的なと言ってはおかしいんですけれども、言わば反抗のエネルギーも詰まっているものではないかというふうに思います。
そこで、今、今日の朝日新聞を見ておりましたら、問題になっておりますが、東京都の新しい漫画、アニメーションという、これ別の問題でいうサブカルチャーに対する条例の問題が出ておるわけです。もちろん、私どもは児童ポルノの規制を含めて、言わば健全な青少年の育成ということを考えなければなりません。一方で、日本を代表する輸出文化産業としての漫画、アニメの育成というものも図っていかなければなりません。このはざまの問題が起きたなと。
東京都条例の非存在青少年ということに係る問題は、ランドセルあるいはセーラー服のようにある意味で十八歳以下であることを想起させることだけで問題になる、あるいは声が問題になると。それが行政の手に判断が全くゆだねられてしまっている、周知期間が短いというようなことで大変問題があるのではないかというふうに言われております。拡大解釈を際限なく繰り返すことによって何もかもが規制されてしまって、創造力の萎縮やまた才能の海外流出というものが起こってくるのではないだろうかという心配もされておるわけでございます。
この問題が大きな問題でありますのは、東京都が全国のキー局、出版社が集結している場所であるということ、そして全国への影響というものは避けられないということでございます。コンテンツ産業もまたそうでございます。このような打撃を避けながら、しかしやはり当初目的としている青少年の健全な育成ということを両立させるということであるならば、やはり慎重な対応が必要なのかなと思います。
もちろん、都の条例につきまして私どもが口を出すことはできないということでございますけれども、やはり一方では行政の恣意的な対応に任せていいのか、私ども国のレベルでもやはりこの問題に関してはしっかりとした検討を開始するという必要性があるのではないかと思います。
と申しますのも、一九五〇年代、アメリカでコミックコードというものが作られました。そのときにアメコミというものが急に凋落してしまうという状況が起きているんです。その後に日本ではアニメーションでありますとかコミックというものが隆盛をしてきたわけなんですけれども、このコミックコードというものが大変な打撃をつくったという歴史がございます。
こういう中におきまして、全国的な問題になります問題につきまして、文科省の方でも、大臣の方でもお調べいただいて、また今後どういうふうにしていく問題なのかということを検討していただく、できるだけ第三者委員会のようなもの、業界の例えば漫画家やアニメーター自身を入れたような形で判断できるような体制をつくることが重要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 一番初めの原則論でいいますと、東京都の条例ですので、そのことに関してコメントする立場にはないんですが、アニメや漫画などの中で性あるいは暴力というものの表現というのは、結果として社会的に大きな影響を与えるということは間違いないというふうに思っております。ただ、一方、先生御指摘のように表現の自由、文化、芸術の創造力というものは可能な限り自由であるべきだという、まさにはざまの問題であろうというふうに思っております。
本来は、ある種の、コードというのもいろいろありまして、自主的なコードみたいのをそれぞれの関係者でやられるというのが一番普通かなというふうに思うんですけれども、世界的な潮流というか課題としていわゆる児童ポルノ規制というのがあります。これは子供の人権にもかかわる深刻な問題でもあります。
そういう意味で、今、内閣府の下にワーキングチームがありまして、文部科学省も参加をしているんですが、いわゆる児童ポルノ排除対策ワーキングチームというのがあります。広義に言いますと、これ、かなり幅広く今の漫画、アニメの今言われている性表現も含めてこの中にあるのかなというふうに思いまして、こういう案件が出てきておりますので、それも視野に入れながら、この場での議論も深めながら、こういうことがどうあるべきかをしっかり議論してまいりたいというふうに思っております。
○谷岡郁子君 子供の人権を守るというためでの国際的な潮流ができておりますことは大変大切なことであると思います。
その一方で、例えば入浴といったことに関しまして、家族でおふろに入るのは日本では団らんであるけれども、そこを例えば描写することは西欧ではそういうふうには考えられないということがございます。例えばドラえもんのしずかちゃんやあるいはサザエさんのワカメちゃんがおふろに入っている場面が見られなくなるというようなことがもし起こりますと、私どもとしては大切な文化遺産を失って、それを再放送されないというような状況にもなりかねない。
これは絶対見たくないので、やはりそういうことでバランスの取れた判断がなされるような体制を整えていただきたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 確かに文化の違いというのは非常に大きなものがあります。一時期、オバケのQ太郎が物議を醸したことがありました。そういう意味で、文化の違いによる国民の受け止めというのもいろいろあるというのは当然であり、そのことによって日本のいろんな大事なことが毀損されないようにということはしっかりと念頭に置きながら取り組まなければならないという指摘だというふうに思います。御指摘しっかり受け止めてまいりたいと思っております。