児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

米国議会調査局ヘンリー・コーエン 「猥褻」、「児童ポルノ」、および「下品な表現」をめぐる論議:最近の展開と懸案事項

 大阪の領事館でもらってきましたが、WEBにもありました。

http://aboutusa.japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-crsreport-childpornography.pdf

児童ポルノをめぐる論議:最近の展開
 連邦議会は1994 年、児童ポルノに関する法律を改正し、「人の生殖器あるいは恥部の猥褻な展示」は「裸体の展示またはそれらの部位の外形が衣服を通して認識できるような展示」に限定されないと定めた(18 U.S.C. §2252 note)。 その後、1996 年児童ポルノ禁止法(Child Pornography Prevention Act of 1996:CPPA) は、「実際に未成年者が使われていなくても、未成年者のように見える視覚的描写は児童ポルノに含まれるという定義を定めた(18 U.S.C. § 2256(8))。従って、同法は未成年者のように見える成人の出演者を使用した視覚的描写だけでなく、モデルを使わずに作成されたコンピュータ・グラフィックスおよび描画または絵も禁止の対象とした。

アシュクロフト判決において、最高裁は、実在の児童を使用した児童ポルノを禁止した法律は「その対象が作品の制作であって、作品の内容ではない」ため、合憲であるとした。対照的に、CPPA は制作手段ではなく、内容を対象とするものであった。政府はCPPA の成立を図る理論的根拠として、「小児性愛者が児童に対して性的行為に参加するよう仕向けるためにそうした情報・素材を利用する可能性がある」「それによって、小児性愛者が自分の性的欲求を刺激する可能性がある」「その結果、実在の児童の性的虐待や性的搾取を増大させる可能性がある」などの点を挙げた。最高裁は、政府は「憲法上、個人の私的な考え方を管理することが望ましいという前提に立って法律の制定を図ることはできず」、また「 『はっきりしない将来の時点』において、違法行為が行われる可能性が高まるからといって言論を禁止することはできない」として、政府が示した理論的根拠は不十分であるとの判断を示した。