弁護士でもそう考えている人がいて、トラブルになることがあります。
何罪でも実刑になる人はいますから報道は当てになりません。理由は、サンプル数が少ないのと、ニュースバリューで選択されるので統計としての意味がないこと。
たとえば、ある罪名の刑事処分が9件あったとして
被告人1 懲役 実刑
被告人2 懲役 執行猶予
被告人3 罰金・・・著名人・社会的地位でニュースバリュー有り
被告人4 懲役 実刑
被告人5 懲役 執行猶予
被告人6 罰金・・・著名人・社会的地位でニュースバリュー有り
被告人7 懲役 実刑
被告人8 懲役 執行猶予
被告人9 罰金
という科刑分布であっても、報道されるのは
被告人3 罰金・・・著名人・社会的地位でニュースバリュー有り
被告人6 罰金・・・著名人・社会的地位でニュースバリュー有り
だけになります。
これでは、報道では、科刑状況は把握できない。ある人が同じ罪を犯しても、どのくらいを想定すべきかの参考にならない。
刑事事件の判決・略式命令は、年間67万件くらい。
http://www.courts.go.jp/sihotokei/nenpo/pdf/B19DKEI08~10.pdf
第8表 刑事事件等の種類別受理,既済,未済人員―地方裁判所
通常第一審 100364http://www.courts.go.jp/sihotokei/nenpo/pdf/B19DKEI11~13.pdf
第11 表 刑事事件の種類別受理,既済,未済人員―簡易裁判所
通常第一審 14695
略式 554794
そのうちに報道されるのが1日10件としても3650件、1日100件としても36500件です。逮捕報道は華々しいですが、判決報道なんて地味な扱いで、1日数件です。
量刑相場を語るなら、少なくとも、最高裁に情報公開請求でもして、罪名別の処断刑期を把握して欲しいところです。意外と簡単です。