どういうつもりでしょうか?
刑事の控訴審で判決受けると、事務的に、即日、判決書謄本の交付請求をします。請求しないとくれない。1枚60円の収入印紙を添える。
H21.3.8判決なら、H21.3.8に判決書謄本交付請求する。
刑訴法
第46条〔謄抄本の請求〕
被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。
他方、弁護人は判決をメモしているわけで、控訴理由と控訴審判決を対応させて、上告理由や上告受理理由があれば、上告なり、上告審としての事件受理なりを申し立てる。
例えば、h21.3.8判決で、h21.3.10に上告審としての事件受理申立。
法
第406条〔上告審としての事件受理〕
最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。規則
第258条の2(原判決の謄本の交付・法第四百六条)
第二百五十七条の申立があつたときは、原裁判所に対して法第四十六条の規定による判決の謄本の交付の請求があつたものとみなす。但し、申立人が申立の前に判決の謄本の交付を受けているときは、この限りでない。
2 前項本文の場合には、原裁判所は、遅滞なく判決の謄本を申立人に交付しなければならない。
3 第一項但書又は前項の場合には、裁判所書記官は、判決の謄本を交付した日を記録上明らかにしておかなければならない。
とすると、規則258条の2第1項で、「判決の謄本の交付の請求があつたものとみなす」ので、h21.3.10にもさらに、判決書謄本交付請求があったことになる。
この場合、合理的に考えると、H21.3.8とH21.3.10に判決書謄本交付請求が2つあるから、両方の判決書謄本交付請求に対して2通交付すればよく、H21.3.8判決書謄本交付請求は効力を失わない。
これは条文操作で簡単に導ける結論である。
すなわち、規則258条の2第1項但書の場合、申立の前に、判決書謄本「交付」がある場合は、規則258条の2第1項本文が排除される(すなわち、判決書謄本交付請求とみなさない)から、前の謄本請求のみが生きているとされ、他方、申立の前に、判決書謄本交付「請求」がある(未交付の)場合は、規則258条の2第1項本文が排除されない(すなわち、判決書謄本交付請求とみなされる)から、両方の謄本請求が生きているとされるからである。