児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

通信の秘密は緩んでいるようです。

 「存在自体が違法」のコンテンツについて、誰のどういう利益を保護するかというのはあまり問題にならないと思っていました。
 所持とか取得とかも、現状では違法・罰則無しということですから。

http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h20/image/youshi3.pdf
平成20 年度第3回総合セキュリティ対策会議(平成20 年10 月29 日)
発言要旨
3.児童ポルノの流通を防止するための取り組みについて
【委員から、児童ポルノ問題への対策と課題について発表】
検索エンジンによる対応は不適当とのことだが、検索エンジン児童ポルノが表示されているという問題もあり、本来の目的を余り阻害しないような方法で対策をとるということまでが、何故不適当なのか。
○発表者: ISPがブロッキングにより児童ポルノの流通を防止すれば、検索結果に現れてもアクセスできないので、検索エンジンで止めるのは全く意味がないと考えている。ただし、検索エンジンのキャッシュを消すことについては、何らかの対応が必要かと思う。
○ 対策を行うために必要となる児童ポルノのデータベースを構築する主体は、現状では事業者になると思うが、何か動きがあるのか、あるいはお考えがあれば教えていただきたい。また、通信の秘密との関係はクリアできそうだというお話だが、もう少し詳しくご説明願いたい。
○発表者: データベースの構築については、現時点では特に具体的な考えを持っていない。ただ、議論の場を設けて基準を作ることが不可欠だと思っている。
また、その議論も透明性を確保しておかなければ、関係ないものがデータベースに含まれてしまうということにもなりかねないので、どういった組織とすることが良いのかということも含め検討が必要だと思っている。
通信の秘密については、通信のどの部分をどう見ていくのかということにもよるものと思っている。また、通信の秘密に、絶対的な価値があるわけではなく、現在でも、正当業務や緊急避難ということにより、一定の範囲で通信の秘密の制約が認められている。また、通信の秘密の解釈指針が大分緩くなってきて助かっている部分もある。例えば、約款で明らかにしていれば、スパム対策のために一部通信内容を見た上で除外するものを選択することができるようになってきている。このように整理が徐々に進んできていると思っているので、通信の中のどこの部分をどう見るのか、どう説明していくのかということが整理できる段階に入っていると思っている。