何をいまさらという記事です。
ネット閲覧というのは、画像データが閲覧者に残って、そこから拡散するということで、提供(販売頒布)受けるのと同じ行為で、サイバー犯罪条約でも取得罪が盛り込まれています。
日弁連「サイバー犯罪条約の研究」2003.9でも指摘されていましたが、2004年の改正で見送られています。
改正の度に、「単純所持罪の可否」みたいにトピックを絞って話題にしておいて、国会でちゃんと審理しないから、こういう穴が残っているわけで、立法者の重過失ですよ。
日弁連「サイバー犯罪条約の研究」2003.9
d 「自己又は他人のための取得」("procuring" )とは、EM97によれば、ダウンロード等積極的に児童ポルノを取得する行為を指す。
児童ポルノサイトを閲覧した場合に、閲覧者のコンピュータの一時ファイル(キャッシュ)に児童ポルノ画像が残っている場合を含むのかについては明かではない。
・・・・
担保されていない部分をまとめると次のようになる。
児童ポルノである画像データ(媒体に化体しないもの)を児童ポルノとしていないこと
1b
1cのうち「コンピュータ・システムを通じて児童ポルノを特定の者に送信すること」
1d
1e
2b
2c
このうち留保可能部分は、
1d「自己又は他人のための取得」
1e「保有」
2b「未成年者であるように見える者」
2c「未成年者を表現する写実的画像」
であるから、立法的対応が必要なのは、次の部分である。
児童ポルノである画像データ(媒体に化体しないもの)を児童ポルノとしていないこと
1b
1cのうち、「コンピュータ・システムを通じて児童ポルノを特定の者に送信すること」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081128-OYT1T00428.htm?from=main3
ブラジルで開催中の「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」で、最終日の28日午後(日本時間29日)にまとめられる宣言文に、児童ポルノやネット上の子どもの性的虐待画像について、「製造や提供、所持だけでなく入手や閲覧も犯罪と位置づける」よう各国に求める内容が盛り込まれることがわかった。