児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「裁判所の量刑検索システム」

 量刑要素としては、そんなところでしょうね。
 しかし、それが正確なデータなのか、他にないのかを検証できませんね。

神山啓史「裁判員裁判における量刑判断と弁護 (下)」 自由と正義vol59
この点、裁判所における検討では、量刑資料を参考にすることは裁判員裁判でも行われうることを前提として議論されており、最高裁判所では、「(量刑)資料がもっぱら裁判官から示されると、押し付けであるとの不満を与えるおそれがあるとの問題意識から、量刑資料の正確性や妥当性を巡る議論を回避しつつ、量刑傾向をふまえた当事者の主張が可能になる方策として、「裁判所の量刑検索システム」を整備して当事者に開示すること(注10)が検討されている。これに対し、過去の裁判結果に基づく量刑資料を評議で参照することは「裁判官が作ってきた相場の押しつけ」になるので許されないのではないかとの指摘が、弁護士会の議論では出されてきた。

注10 
本稿執筆時点では、その具体的内容は公表されていないが、模擬裁判で配布された資料からすると、例えば、強盗致死事件の場合、(1判決、求刑、事案の概要のほかに、2共犯関係、犯行態様(侵入強盗、路上強盗、その他)、被害額、凶器等(凶器使用の有無、.使用凶器の種類)、計画性、被害者の落ち度、被告人の年齢・性別、前科、反省、被害者の年齢・性別、被害者等の処罰感情、示談等といった項目について、該当する場合に内容が入力されるといったデータベースになるものと想定される。そして、このシステムにアクセスし、例えば、共犯関係-「単独犯又は実行共同正犯」、被害者数-「1名」、凶器等-「あり」等と検索条件を指定すると、条件に合致する裁判結果が抽出されて、「判決」「求刑」「事案の概要」と前記2の各項目の該当事項が記載された「一覧表」と、抽出された「判決」分布を示す表及びグラフが表示されることになるようである。