児童ポルノ製造行為が強制わいせつ罪に吸収されるなんて言わないですが、行為が重なるから観念的競合ですよね。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyagi/news/20060603ddlk04040154000c.html
一方、弁護側は「被害者の体に触れておらず、抑制力を備えてきた。性欲を抑える治療を受けることを約束している」と情状酌量を求めた。
車内で全裸にしてビデオ撮影した。【青木純】
毎日新聞 2006年6月3日
なお、わいせつ目的誘拐と強制わいせつは牽連犯。
東京高等裁判所昭和45年12月3日
これを本件起訴状記載の公訴事実と照合すると、同公訴事実の第一と被害者も、誘拐にあつた日時も、場所も、またその態様も全く同じであり、ただ告訴状においては、犯人が誘拐にあたり意図した目的の点について、触れるところがないけれども、そのことは同公訴事実との間に事実の同一性があると認めることを妨げるものではないから、たとえ告訴状が提出されたのち、犯人が猥褻を目的として誘拐したものであることが判明したため、その告訴にかかる事実について猥褻誘拐のもとに公訴が提起されたとしても、さきになされた告訴の効力はのちに起訴されたその公訴事実に及んでいるものと解せられるのである。そして本件の公訴事実に現われているように、強制猥褻の犯行が、猥褻の目的をもつて誘い出したその場所において行われている場合には、原判決が(弁護人の意見について)と題する項において、適切に説示をしているように、その猥褻誘拐と強制猥褻とは通常手段、結果の関係にあり、従つて刑法第五四条第一項後段で規定する牽連犯の関係にあるものと解せられるので、告訴不可分の原則により、前記告訴の効力は強制猥褻の事実にも及んでいるものと考えられるのであり、またそのように考えても、所論のように、被害者の意思を無視したり、親告罪を設けた立法の趣旨を没却することにはならないのである。以上のとおりであるから、猥褻誘拐と強制猥褻の両公訴事実について適法な告訴があつたものと解し、同公訴事実に基いて実体審理を遂げ、公訴事実とほぼ同一の事実を認定して処断した原裁判所の措置は、まことに相当であり、所論の非違はごうも存しない。論旨は、理由がない。〈以下省略〉
(荒川正三郎 谷口正孝 中久喜俊世)
告訴の効力については、訴因基準じゃないんですね。