そんなことしたらばれますがな。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060501&j=0022&k=200605014412
容疑者は自分が撮影した女子中学生の裸の写真を使ってカレンダー一冊を作り、
知人に譲り渡していた疑いのあることも分かり、北見署などは同容疑者を同法違反(児童買春、児童ポルノ製造)の疑いで送検した。
追記
買春した中学生の写真でカレンダー製造 板金工を追送検 道警と北見署=北海道
当時中学3年の女子生徒に、現金3万円を渡し、いかがわしい行為をした。さらに、みだらな写真を100枚以上デジタルカメラで撮影し、カレンダー1枚を製造した疑い。
[読売新聞 ]
一枚もののカレンダーなら児童ポルノは1個なのか?写真数枚使っていれば数個なのか?という単純な疑問から始まって、児童ポルノ製造+販売の罪数処理は悩ましいです。罪数論からもそんなことしないでほしい・フルコースはするなという感じです。
奥村説は、製造罪と提供罪の併合罪。わからないから、全部ばらして、併合罪にしておけ。
他方、個人的法益を強調するなら、児童ごとに包括一罪としてもいいんじゃないか(東京高裁H15で否定されている)。
裁判例を紹介する。混沌としているのに、争われずに実刑となる事件が多いのが悩ましい。知らぬが仏か?
撮影→編集→複製という一連の行為は児童ごとに包括一罪(東京高裁、金沢支部、大阪高裁)。これだと、「ロリータA子とB子」という風に、最終的に複数児童の児童ポルノに仕上げると、編集段階以降で、A子に対する製造罪とB子に対する製造罪が観念的競合になる。ここでかすがいされて、全部で一罪になるのだが、個人的法益の評価としてこれでいいのか?
さらに、最近の奈良地裁なんかは、複数被害児童に対する製造罪は包括一罪で、数回の販売罪は包括一罪で、しかも製造と販売は牽連犯だという。やっぱり一罪なのか。もう児童ポルノ罪の個人的法益性なんて裁判所には見えていないのかもしれない。
どうせ児童ポルノ・児童買春犯人なんだから、法令適用なんてどうでもいいのかもしれません?