児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

地裁・家裁に分けて判決されたときの量刑

 また、少年法37条に対するクレームが述べられています。

長井秀典「数罪と量刑」判例タイムズ 1188
第3  刑法45条後段の確定裁判がある場合の量刑判断
禁銅以上の刑に処する確定裁判がある場合に,それ以前の余罪について処断するときには.まず両者を合わせて総合的な量刑を判断し,これから確定裁判の刑を控除して量刑するのが正しい。
(中略)

*43 これに対し,刑法45条前段の併合罪を個別に処断するときには,同じように考えることができない。実務上,刑法45条前段の併合罪を個別に処断するということは少ないが,管轄を異にするために併合できないとき(家裁管轄と地裁管轄など)や,ある罪について既に有罪判決があり,上訴審係属中に余罪の存在が判明したときなどには,個別に処断せざるを得ないし,今後は,裁判員対象事件と非対象事件との関係がこれに加わるものと予想される。先に検討したところによれば,これらの事案においても,併合の利益を無視することはできないと思われるが,確定裁判のある場合と異なり,遅れて判決する側において統合的な量刑判断をした上,先にされた判決の刑を控除して量刑するというわけにはいかない。先にされた判決が上訴審で破棄されて量刑が変わり,あるいは無罪になるなどの可能性があるからである。運用で解決することの難しい問題であり,立法的な解決が望まれる。