児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

画像掲示板管理者の刑事責任に関する裁判例

 弁護人は「幇助」を主張していているのですが、幇助として処理した新潟簡裁H12.1.21の判決書が採否留保になりました。若い検事さんが調べて反論してくれるそうです。
 調べるにしても、罪となるべき事実に「共謀して」って書いてあっても、証拠までさかのぼらないと、どの部分を共謀したのかがわかりません。

 奥村弁護士が手を尽くして調べたところでは、通りすがりの投稿者との共謀を認めた判決はないです。冒頭段階で調査結果を明らかにしています。

3 画像掲示板管理者の刑事責任に関する裁判例
(1)幇助とするもの
①新潟簡裁H12.1.21
(2)単独正犯とするもの
横浜地裁h15.12.15(不作為犯構成)←奥村弁護士
②東京高裁H16.6.23(作為犯構成)  ←奥村弁護士
京都地裁H9.9.24(不作為犯構成)
④大阪高裁H11.8.26(不作為犯構成)
(3)共謀共同正犯とするもの
千葉地裁H14.9.24(事前共謀による開設の事例)
②名古屋地検の見解(通りすがりの投稿者と掲示板の管理者は共謀共同正犯)←奥村弁護士

 共謀共同正犯にした裁判例が出てくればそれはそれで大収穫ですが、天下の東京高裁が熟考の末に「単独正犯・作為犯・同時犯」という判断を示しているところをみると、そこに収束するのではないかと観測しています。