こんな講演があるそうです。大阪弁護士会で話すのは初めてです。ローカルでは関心無いから。
4人とも既知ですね。
「電子掲示板における法律問題について」話せばいいんですね。
って言われても、関心がない弁護士に、何から話すんでしょうか?
「市ね」とか「悪○弁護士」とか「児童ポルノ弁護士」「買春弁護士」と書かれた感想でお茶を濁せばいいんでしょうか?
よくやるんですが、「児童ポルノ」の現物を展示するというのでもいいですか?
電子商取引問題研究会
昨今のIT化の進展はめざましいものがあり、また、2ちゃんねるから生ま れた小説「電車男」がドラマとなるなど電子掲示板が持つ社会に対する影響力 は大きなものとなっています。他方で、電子掲示板を巡る紛争も年々増加傾向 にあります。
しかしながら、このような紛争を扱わなければならない弁護士の多くは、「2ちやんねる」について聞いたことはあっても、実際に見たことがないというのが実際ではないでしょうか。
そこで、当研究会は、「2ちゃんねる」の管理人である西村博之氏、南山大学法科大学院教授町村泰貴氏、富士通株式会社総務部担当部長の丸橋透氏、大阪弁護土会会員の奥村徹弁護士を迎え、電子掲示板における現状及び将来について、下記のとおり研究会を実施することに致しました。これだけの豪華な面々を迎える機会は滅多になく、今回の研究会は会員外からのご出席もご参加いただくことに致しました。是非ご出席いただくようお願いいたします。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20050329/1112095631
「インターネット上の誹謗中傷と責任」の紹介でいいでしょうか?
- 作者: 情報ネットワーク法学会,テレコムサービス協会,特別二種電気通信事業者協会=
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- メディア: 単行本
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追記050628
討論要員であって講演はしないのですが、注意喚起のためにレジュメを起案しました。
といっても、未公開裁判例の紹介です。
H17.6.30電問研
電子掲示板における法律問題について(刑事裁判例)
奥 村 徹(大阪弁護士会)
第1 掲載者の責任=正犯
第2 掲示板管理者の責任
1 事案
ある者が、掲示板管理者と連絡無し(共謀無し)に、掲示板に犯罪的な違法情報を掲載した場合の、掲示板管理者の責任
2 問題点
正犯か従犯か?
不作為犯か作為犯か?
状態犯か継続犯か?
どのような場合に刑事責任が発生するのか?
3 裁判例(ほとんど未公開)
(1)幇助とするもの
新潟簡裁H12.1.21 わいせつ図画公然陳列(公刊物未掲載)
(2)正犯とするもの
千葉地裁H14.9.24 児童ポルノ公然陳列(公刊物未掲載)
横浜地裁H15.12.15 児童ポルノ公然陳列(後掲「誹謗中傷と責任」参照)
東京高裁H16.6.23 児童ポルノ公然陳列(被告人上告 後掲「誹謗中傷と責任」参照)
大阪地裁H16.6.24 わいせつ図画公然陳列(公刊物未掲載)
大阪地裁H16.7.6 わいせつ図画公然陳列(公刊物未掲載)
(3)東京高裁H16.6.23の論理
① 事案
② 児童ポルノ公然陳列罪の正犯
掲載者は各々公然陳列罪正犯として罰金刑
③ 実行行為=掲示板の開設・維持行為(作為犯)
「掲示板開設行為」が実行の着手で、掲載された時点で既遂
管理者は具体的内容を認識する必要はない(未必的故意)。
④ 継続犯
⑤ 量刑(掲載者より重い)
第3 問題点
1 掲示板管理者の地位=プロバイダの地位(管理者正犯説=プロバイダ正犯説)
2 プロバイダ責任制限法で民事免責される場合にも刑事責任は免責されない?
3 東京高裁H16.6.23の論理の適用範囲は児童ポルノ罪に限られない?
4 掲載者不明の場合、プロバイダ・管理者を正犯として告訴・告発すればよい?
第4 参考文献
情報ネットワーク法学会・テレコムサービス協会編「インターネット上の誹謗中傷と責任」商事法務
最近の学説状況については、永井善之「サイバーポルノの刑事規制」