児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

未決勾留日数の法定通算

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050119-00000026-nnp-kyu
1審裁判官ミス 差し戻し審再び実刑 福岡地裁 窃盗被告判決変わらず

 奥村弁護士は、未決勾留日数の計算が苦手です。刑期の短縮を求めてしまい、未決まで及ばない。

 こういうのは、未決勾留されている人が詳しくて教えてくれるそうです。被告人は1日でも早く出たいわけで、切実な問題だから。
 「上訴の提起期間中の未決勾留の日数」を稼ぐために控訴期限ぎりぎりで控訴するとか。

刑法第21条(未決勾留日数の本刑算入)
未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。

刑事訴訟法
第495条〔未決勾留日数の法定通算〕
上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
②上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
一 検察官が上訴を申し立てたとき。
二 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
③前二項の規定による通算については、未決勾留の一日を刑期の一日又は金額の四千円に折算する。
④上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。
〔平三法三一第三項改正〕

 原判決破棄になると、495条2項2号で、上訴申立後の未決勾留の日数が全部算入されます。これは数ヵ月ありますから、結構、大きいです。
 児童ポルノ+児童買春罪の
   原判決   懲役2年(未決算入90日)
   控訴審判決 懲役1年10月(原審未決算入90日)
という事件で、弁護人は
   2か月しか刑期が短縮しなかった。ごめん。
という気分で高裁の法廷を去りましたが、後日被告人からは、
   先生、おかげさまで、刑期が7か月縮まりました
   ありがとうございました。
   命の恩人です
という手紙をもらって驚いたことがありました。
 だいたいこんな計算でしょうか?

 原判決
  712−90=620日
 控訴審判決
  665−90−165=410日

 
 破棄されるんなら、もっと期日指定を延ばしておくんだった。(^_^;)