児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被告不詳で提訴可能

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050106/mng_____sya_____004.shtml

決定はここにある。
http://blog1.fc2.com/fukushimatakeshi/?no=21

http://blog1.fc2.com/fukushimatakeshi/?no=21
平成16年(ラ)第99号 訴状却下命令に対する即時抗告事件
(基本事件:富山地方裁判所平成16年(ワ)第315号)
    決  定
 富山県○○
  抗告人(基本事件原告) ○○
  同訴訟代理人 弁護士 福 島 武 司
 住所不詳
  相手方(基本事件被告) ヨシザワジュンイチ
    主  文
 原命令を取り消す。
    理  由
第1 本件抗告の趣旨及び理由
 別紙の「即時抗告の申立書」に記載のとおりである。
第2 当裁判所の判断
1 本件は,抗告人(基本事件原告)が,氏名不詳の者から騙されて「ヨシザワジュンイチ」名義の銀行預金口座に100万円を振込送金して同額の損害を被ったことから,上記預金口座の名義人の「ヨシザワジュンイチ」に対し,不法行為に基づき,上記の100万円,慰謝料10万円,弁護士費用10万円の合計120万円及びこれに対する平成16年8月2日(不法行為の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた訴訟において,訴状の被告の住所及び氏名の表示として,「住所不詳,ヨシザワジュンイチ」と記載したところ,原審裁判所が,抗告人に対し補正を命じた上,被告の住所及び氏名が特定されていないとして訴状を却下したため,これを不服とする抗告人が本件抗告を申し立てた事案である。
2 記録によれば,抗告人は,訴状において,不法行為に基づく損害賠償請求の相手方である被告の表示につき,被告名を「ヨシザワジュンイチ」と,住所地を「住所不詳(後記する振込先預金口座の登録住所)」とそれぞれ記載した上,その振込先預金口座として,「三井住友銀行永山支店,普通預金,口座番号○○,名義人ヨシザワジュンイチ」と記載していることが認められる。
 そして,銀行預金口座を開設するに際しては,口座開設者の氏名,住所等を記入した申込書の提出を要すること(顕著な事実。しかも,書類等により口座開設者が本人であることの確認などもすべきものとされている。)を踏まえると,抗告人は,上記預金口座を開設した自称「ヨシザワジュンイチ」なる人物を本件の被告として訴訟を提起したことが明らかである。
3 なるほど,訴状の被告名は上記預金口座の名義人である片仮名の名前にすぎず,しかも,住所表示(訴状送達の便宜等のために有益であり,また,被告を特定する上で有用であることから実務上記載されるのが一般である。)は「不詳」とされている。しかし,抗告人は,本件訴訟提起前に,弁護士照会等により,所轄の滑川警察署長及び上記預金口座のある三井住友銀行永山支店宛に「ヨシザワジュンイチ」の住所及び氏名(漢字)を問い合わせるなどの手段を尽くしたものの,協力が得られず,やむなく上記の記載の訴状による訴えを提起したことが認められる。そして,抗告人は,本件訴訟提起と同時に上記銀行に対する調査嘱託を申し立てているところ,これらの方法により,「ヨシザワジュンイチ」の住所,氏名(漢字)が明らかとなり,本件被告の住所,氏名の表示に関する訴状の補正がなされることも予想できる。
 したがって,本件のように,被告の特定について困難な事情があり,原告である抗告人において,被告の特定につき可及的努力を行っていると認められる例外的な場合には,訴状の被告の住所及び氏名の表示が上記のとおりであるからといって,上記の調査嘱託等をすることなく,直ちに訴状を却下することは許されないというべきである。
4 よって,本件訴状却下命令を取り消すこととして,主文のとおり決定する。

 平成16年12月28日
 名古屋高等裁判所金沢支部第2部
  裁判長裁判官 安江 勤
      裁判官 渡邊和義
      裁判官 田中秀幸

 被告は何も言ってきていないし、後日特定できるかもしれないから、裁判所の独断で訴状却下することもないのにと思います。
 この決定の

3 なるほど,訴状の被告名は上記預金口座の名義人である片仮名の名前にすぎず,しかも,住所表示(訴状送達の便宜等のために有益であり,また,被告を特定する上で有用であることから実務上記載されるのが一般である。)は「不詳」とされている。しかし,抗告人は,本件訴訟提起前に,弁護士照会等により,所轄の滑川警察署長及び上記預金口座のある三井住友銀行永山支店宛に「ヨシザワジュンイチ」の住所及び氏名(漢字)を問い合わせるなどの手段を尽くしたものの,協力が得られず,やむなく上記の記載の訴状による訴えを提起したことが認められる。そして,抗告人は,本件訴訟提起と同時に上記銀行に対する調査嘱託を申し立てているところ,これらの方法により,「ヨシザワジュンイチ」の住所,氏名(漢字)が明らかとなり,本件被告の住所,氏名の表示に関する訴状の補正がなされることも予想できる。

というのは、どこまで有効でしょう?

 似たような状況なら、匿名掲示板のIDとかIPアドレスとかで特定してもいんでしょうか?