児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「期限過ぎれば棄却も」=控訴趣意書提出求める−オウム松本被告に説明・東京高裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041217-00000266-jij-soci
裁判長が、同被告に直接面会し、控訴趣意書が来年1月11日の期限までに提出されない場合は、刑事訴訟法に基づき、控訴を棄却する可能性があると説明していた

 刑事事件の控訴趣意書の差出期限は厳しいので、最終日が指定されると、弁護人は追い込まれます。裁判長から電話とか来所されてとか呼び出されてとかで督促されることもありません。出さなければ淡々と控訴棄却されるだけです。
 司法統計では、控訴したけど理由がなくて期限切れ棄却も多いですよね。

 奥村弁護士の場合、期限までに書き上げたのはいいが、5部も印刷するのにパニックになっています。
 今では反省していますが、かつて、フォントを小さくして、字数最大、行間最短にしてページ数を減らしたことがありますが、普段温厚な裁判長が法廷で激怒する結果となり、初めて「児童ポルノ販売罪併合罪説」の高裁判決(控訴は棄却で被告人に不利益はなかった)が出ました。図らずも、奥村弁護士の見解が高裁で採用されました。

刑事訴訟法
第376条〔控訴趣意書〕
控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならない。

第386条〔同前〕
左の場合には、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない。
一 第三百七十六条第一項に定める期間内に控訴趣意書を差し出さないとき。

規則
第236条(控訴趣意書の差出期間・法第三百七十六条)
控訴裁判所は、訴訟記録の送付を受けたときは、速やかに控訴趣意書を差し出すべき最終日を指定してこれを控訴申立人に通知しなければならない。控訴申立人に弁護人があるときは、その通知は、弁護人にもこれをしなければならない。
2 前項の通知は、通知書を送達してこれをしなければならない。
3 第一項の最終日は、控訴申立人に対する前項の送達があつた日の翌日から起算して二十一日目以後の日でなければならない。

第238条(期間経過後の控訴趣意書)
控訴裁判所は、控訴趣意書を差し出すべき期間経過後に控訴趣意書を受け取つた場合においても、その遅延がやむを得ない事情に基くものと認めるときは、これを期間内に差し出されたものとして審判をすることができる。