マスターテープ自体は売らないんですが、判例上、販売目的が認められています。撮影済未現像のフィルムとかも同じ。
さらに、販売目的の画像処理の工程からは外れているバックアップデータについては、最高裁が検討中。
これが児童ポルノだとして、詳しい検事がいる横浜地検で、ダビング行為を児童ポルノ販売目的製造罪で捕捉できるか、その際、被害児童数を基礎とした罪数で処理されるか、HDDを丸ごとあるいは違法部分だけでも没収できるかに注目しています。
現代刑事法の大久保教官(大久保隆志「罪数論と検察実務」現代刑事法'04.7)とかも「迷ったら併合罪」とか書いていますが、あんまり罪数多くなると、児童ポルノ法を知らない決裁官が違和感持って、決裁通らないんじゃないか。ベテラン検事の勘・罪数観にあわない。ここに伏兵(児童ポルノ犯人にとっては救世主)がいる。
裁判例を眺めていると、児童ポルノ製造罪って、被害児童の名前が判るときは人数で罪数決めて量刑も重く、名前が判らないときは人数を数えずに一罪で処理しているし量刑も極めて軽いと観測しています。保護法益がわかっていない証拠です。名無しの人間を数人殺傷したら、名無しだから「殺人罪・傷害罪の包括一罪」にしますか?
パソコンにわいせつ画像 販売目的で所持の学生逮捕 栄署=神奈川2004.11.25 東京朝刊 32頁 (全354字) 読売新聞社
自宅アパートに販売目的で、わいせつな画像を記憶させたパソコンを所持していた。
パソコンには、少女を撮影したとみられる画像などが約三十種類記憶されていた。