児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ専用の掲示板を開設 鹿児島の高校生を書類送検 警視庁

 大人だと迷わず逮捕されて公判請求されます。
 啓発が足りないですね。

2008.06.27 NHKニュース 
 児童ポルノ専用のインターネットの掲示板を開設し、画像を投稿したとして、警視庁は鹿児島県の男子高校生を書類送検しました。
・・・
 掲示板にはおよそ1か月の間に20件の児童ポルノの画像などが投稿されたということで、警視庁は投稿した広島県秋田県の別の高校生ら男女6人も書類送検しました。
NHK

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080628-00000060-mailo-l13
調べでは、鹿児島の生徒は昨年11月18日ごろ、ネットの無料掲示板に投稿サイト「ロリ実写」を開設。同月21日〜今年2月3日、別のサイトからコピーした女児の裸の画像25枚を張り付けた疑い。他の6人は、このサイトに同年齢の女児の裸の画像や映像を張り付けた疑い。生徒らは「捕まっても厳しく罰せられないだろうと思った」と供述しているという。

女児暴行事件 元高知大生に懲役4年 地裁判決=高知

 
 量刑としてはこんなところですよ。これで弁護人が執行猶予を示唆したらダメ。
 3罪の併合罪になってると思いますが、同一児童(青少年)への青少年条例違反は包括一罪になるという判例があるから、上告理由がたちますね。

女児暴行事件 元高知大生に懲役4年 地裁判決=高知
2008.06.28 大阪朝刊 読売新聞社
 判決によると、被告は2007年12月9日、ゲームサイトで知り合った当時11歳の小学生女児を呼び出し、県内の畑で暴行するなどした。同年9月10日と30日には、当時14歳の女子中学生を自宅に誘い出し、わいせつ行為に及んだ。伊藤裁判長は「被害者の家族は転居の準備をしているなど結果は重大で、少女への性的傾向が表れた常習的な犯行」と指摘した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080628-00000246-mailo-l39
判決文によると、被告は07年9月、高知市内の自宅で、携帯電話のゲームサイトで知り合った少女(当時14歳)が18歳未満であることを知りながら、2度にわたってわいせつな行為をするなどした。また、同年12月には、同様の手口で知り合った小学6年女児(当時11歳)を県内の畑に連れ込み、乱暴した。

 写真撮ってると、一罪になる可能性がある事件です。

携帯端末の識別情報の管理

 携帯サイトについては、完全な匿名性はないということです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080628-00000063-yom-soci
審査対象は、掲示板や、会員制のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、プロフ(自己紹介サイト)など。
 基準は、〈1〉携帯端末の識別情報の管理〈2〉通信記録の3か月以上の保管〈3〉利用者の年齢確認〈4〉悪質利用者の強制退会措置〈5〉犯行や自殺予告など緊急時の対応──など22項目。すべての基準を満たせばEMAの「認定サイト」としてお墨付きを与える。違反した場合は認定を取り消す。
 これまでは携帯端末ごとの識別情報を管理していない運営会社もあったが、認定サイトでは管理が義務づけられるため、全社が利用者の状況を把握でき、悪質な場合は、しめ出すことが可能になる。

携帯サイトを巡っては、昨秋にゲームサイト「モバゲータウン」で出会った男に女子高生が殺害されるなどの事件も相次ぎ、携帯電話各社が保護者らにフィルタリングをかけるよう奨励している。ただ、現行ではすべてのSNSやプロフなどが閲覧できなくなるため、普及していない。今後、EMAの認定を受けてフィルタリングの対象から外れるサイトが増えれば普及するとみられる。

下半身露出「しゃせい男」名古屋で逮捕

 繁華街で立ってる少女で応じてくれる場合があるようです。相手が児童だと、性器接触行為の児童買春罪。

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20080629-377593.html
容疑者は同日、この駐車場に自家用車を止め、そばで待機。この女性を見つけると接近し「『しゃせい』したいので、モデルになってくれませんか」と誘ったという。女性は当初、自分をモデルとして「写生」したいのだと解釈。同容疑者の“勧誘”を明確に拒否しない状況のまま、誘導に従いこの車の脇まで移動してしまったという。
 しかし容疑者は「手でしてくれたら5000円あげる。見てくれるだけでもお金をあげる」などとわいせつな交渉を開始。直後にズボンを脱いで下半身を露出し「射精」を図ったという。女性は腕を捕まれたが脱出。警察に通報した。
 容疑者は容疑を認めている。同署では声を掛けた際の「しゃせい」は、「写生」だったのか「射精」だったのか、両方の意味を含んでいたのかなど、動機を含め追及している。

 強制的にこういうことをして、強制わいせつ罪と器物損壊罪の観念的競合となっている裁判例千葉地裁)を見たことがあります。

35歳男、男子生徒に裸撮影指示 ネット自殺強要 

 法的構成としては、間接正犯理論で道具になっていれば間接正犯、道具になっていなければ共犯として考えるべきだと思います。児童を実際に起訴するかどうかは別として。

http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0001182667.shtml
調べでは、昨年、男子生徒に自身の裸などわいせつな画像を撮影するよう数回にわたって指示し、ネットを通じて受け取っていた疑い。
 この男子生徒をめぐっては、柏市の高校生ら二人がインターネット上で自殺を強要したなどとして、五月に逮捕されている。男子生徒と会社員の男、逮捕された高校生二人とも、インターネットの「チャット」と呼ばれるサイト上でやり取りしていた。同課などは、男が入手した写真が男子生徒へのいじめに利用されていた可能性もあるとみて、調べを進める。

 これで製造罪の間接正犯構成は難しい。共犯構成か、独自の構成を考えないとね。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200806290049.html
少女と少年は容疑者と面識はなかったが、「親近感を持っていて指示に従った」と話しているという。少年は今年3月、ネット掲示板に「学校をテロします」などと書き込んだ脅迫の疑いで県警に逮捕され、その捜査過程で今回の事件が発覚。容疑者のパソコンには他にも同様の動画が保存され、県警は小学生から高校生まで約50人が被害に遭ったとみている。

保護法益に社会的法益があるから被害者の同意があっても製造罪が成立するというのであれば、被害者自身が製造したら、被害者が製造犯人になるのが道理ですね。

Cドライブ→Dドライブへのコピーは児童ポルノ製造罪(7条3項)か?

 これくらいのファイル操作をすると、法令適用が迷うんですよ。

被害児童
↓ 撮影
SDカード
↓ 複製
HDD Cドライブ
↓ 複製
HDD Dドライブ

 同一HDD内でパーテーション切ってるだけですが、同一媒体への追加記録は製造罪だというのが判例(東京高裁H15)なので、製造罪でいいんじゃないですか?
 どうせ包括一罪だし。