児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「現代日本と韓国の情報化・情報通信技術の発展と法的問題」

 韓国も日本もない問題ですね。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/ricks/ricks_index.htm
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/ricks/20070622-23.pdf
立命館大学コリア研究センター第5回日韓共同研究会
現代日本と韓国の情報化・情報通信技術の発展と法的問題」
日程:2007年6月22日(金)・23日(土)
場所:立命館大学 琵琶湖・草津キャンパス エポック21
主催:立命館大学コリア研究センター
<プログラム>
◆6月22日(金)15:00〜18:30
・開会式 15:00〜15:30
・第1部「インターネットにおける表現の自由と制限」15:30〜18:30
 1.「ネットワーク社会における表現の自由
   (市川正人/立命館大学教授)
 2.「韓国のIT発展と民主主義」
   (黄(ファン)・ソンギ/東国大学校副教授)
 3.「表現の自由の制限―表現それ自体の適法性、他の法的利益との衝突など」
   (夏井高人/明治大学法学部教授)
 4. 「科学技術発展と法の役割−ITの持続的発展のためのコンピュータープ
    ログラムの効果的な法的保護手段」
   (ク・デファン/ソウル大学法科大学教授)

◆6月23日(土) 10:00〜17:30  
・第2部「IT発展と企業・メディア」10:00〜13:00
 1.「日本のIT企業の法的対応」
   (杉村豊誠/日本電信電話株式会社第五部門法務担当)
 2.「韓国社会のIT発展と企業の対応」
   (朴(パク)・ソンホ/(株)nhn政策室長)
 3.「日本の放送制度の課題―放送事業者のガバナンスの観点から」
   (小塚荘一郎/上智大学法科大学院教授)
 4.「韓国社会における放送通信融合に対応する法制度改善の現況」
   (ソン・ジョンギル/京畿大学校教授)
・第3部「インターネットにおける取引と犯罪」14:30〜17:30
 1.「オンライン賭博とオンラインゲームアイテム取引の法的問題」
   (李(イ)・ジョンフン/中央大学校教授)

 2.「わが国におけるサイバー犯罪と刑事法制」
   (園田寿甲南大学教授)
 3.「インターネットポータルサービスによる名誉毀損の被害救済システム」
   (黄(ファン)・承(スン)欽(フム)/誠信女子大学校副教授)
 4.「ネットワーク取引と消費者保護法制」
   (坂東俊矢/京都産業大学教授)

「だまされる方が悪い」という弁解?

 逮捕されて、普通、言わないと思うんですが。
 青少年条例違反や強制わいせつが立件されたら、製造罪とは観念的競合にしてください。

http://www.sanspo.com/sokuho/0618sokuho037.html
インターネットのチャットで知り合った小中学生にわいせつ行為をし、カメラ付き携帯電話で 撮影したとして、警視庁少年事件課は児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで、東京都 板橋区の私立大2年の男子学生(19)を逮捕した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007061800359
12歳と14歳だった小学6年と中学2年の少女にも同様の行為をしており、「ついてくる方が悪い。相手も興味があったんじゃないの」と述べ、反省は全くないという。
 携帯電話で3人とのわいせつ行為を撮影し、パソコンに静止画と動画で計30枚を保存。「自分で楽しむためだ。警察にも通報されにくいと思った」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070618-00000030-san-soci

小包郵便物を現金書留とする場合の料金

 ちょっと現金封筒に入らないような札束を送ることになったんですが、封筒でも小包でも賠償額の限度額50万円でした。

http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/index.html
小包郵便物の料金 +360円
※表示の料金は、損害要償額1万円までの料金です。損害要償額が1万円を超える場合は、5,000円までごとに、10円を表示の料金に加えてください。なお、損害要償額の限度額は、50万円です

 被害者の希望に応じています。

中学教諭を逮捕=中3女子にわいせつ行為−警視庁

 事実だとして、この罪名で起訴されると怖いので、影響力・支配関係の点を薄めて、青少年条例違反とかにしてもらうような弁護活動ですね。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007061800409
児童福祉法違反容疑で、東京都内の区立中学校教諭(30)を逮捕した。「駐車場には行ったが、わいせつな行為はしてない」と容疑を否認している。

児童淫行罪と青少年条例違反罪

 児童淫行罪には「淫行をする行為に包摂される程度を超え、児童に対し、事実上の影響力を及ぼして淫行をするように働きかけ、その結果児童をして淫行をするに至らせることが必要である」

東京高裁h8.10.30
児童福祉法三四条一項六号にいう淫行を「させる行為」とは、児童に淫行を強制する行為のみならず、児童に対し、直接であると間接であると物的であると精神的であるとを問わず、事実上の影響力を及ぼして児童が淫行することに原因を与えあるいはこれを助長する行為をも包含するものと解される(なお、最高裁判所昭和三〇年一二月二六日第三小法廷判決刑集九巻一四号三〇一八頁、最高裁判所昭和四〇年四月三〇日第一小法廷決定裁判集一五五号五九五頁参照。)。そして、前記2でみたとおり、同号には、行為者が児童をして行為者自身と淫行をさせる行為を含むと解すべきところ、同号が、いわゆる青少年保護育成条例等にみられる淫行処罰規定(条例により、何人も青少年に対し淫行をしてはならない旨を規定し、その違反に地方自治法一四条五項の範囲内で刑事罰を科するもの)とは異なり、児童に淫行を「させる」という形態の行為を処罰の対象とし、法定刑も最高で懲役一〇年と重く定められていること等にかんがみれば、行為者自身が淫行の相手方となる場合について同号違反の罪が成立するためには、淫行をする行為に包摂される程度を超え、児童に対し、事実上の影響力を及ぼして淫行をするように働きかけ、その結果児童をして淫行をするに至らせることが必要であるものと解される。

 だとすると青少年条例違反(青少年淫行罪)には、「程度は問題なく、淫行することで足りる」ことになります。

 児童淫行罪の実刑率は約25%で、師弟関係だと、このところ100%実刑となっているので、
?淫行の有無
?影響力行使は児童淫行罪のレベルに達しているか?
が争われることになります。
 ?は程度問題であって、児童淫行罪が認定された場合の量刑にも影響するので弁護人は要チェック。
 なお、「淫行をする行為に包摂される程度を超えない場合」、家裁は管轄を失いますので、管轄違の判決となります。地裁・簡裁への移送はできません。

永井善之「サイバー・ポルノの刑事規制」

 永井先生からいただいたんですが、掲示板とか、url(リンク)とかの関係で、本日、pdfになりました。

http://www.shinzansha.co.jp/keihozen.html

サイバー・ポルノの刑事規制

サイバー・ポルノの刑事規制

弁護人からの被害弁償の交渉は審級ごとです。

 一般に、民事も刑事も審級ごとに受任しています。
 ですから、受任している期間は、原則として、
  地裁事件なら、地裁だけ(地裁判決まで)
  高裁事件なら、高裁だけ(高裁判決まで)
ということになります。
 その後、どうなるか(上訴するかとか、上訴しても同じ弁護士に頼むのか、上訴しないで弁償のみ同じ弁護士に続けさせるか、別の弁護士に頼むか・・・)は、依頼者が決めることなのでわかりません。
 弁護人が弁償用の資金を預かっていることもありますが、それも任務終了で被告人側に返しますから、その後、それから支払われるのかもわかりません。
 地裁事件の被害弁償で、被害者には「判決をみてから考える」という方もいて、そもそも、交渉に応じるか・いつ応じるかは先方の自由なので、それはそれでごもっともです。しかし、ひとえに弁護士の都合だけから言わせてもらえれば、弁護士は受任している期間内で結論(弁償の可否)を聞きたいので、困ります。

強制執行妨害罪(旧・強制執行不正免脱罪)

 古い奴だと思われるでしょうが、奥村が勉強したのは旧刑法です。「強制執行妨害罪」っていわれると、公務執行妨害みたいな場面を想像しますね。

第96条の2(強制執行妨害)
強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

条解刑法
8)仮装譲渡 真実は譲渡の意思がないのに,第三者と通じて財産名義を移転するなど譲渡が行われたように装うことである。対抗要件の具備までは要しない。
有償,無償は問わない。隠匿の一態様といえる。財産を真実第三者に譲渡した場合は,たとえ強制執行を免れる目的があり,債権者に不利益をもたらしても、本罪を構成しない。

選手の不祥事に関するお詫び

 そうそう、被害児童の権利侵害について児童に謝らないとだめなんですよ。
 逮捕前にはそんなこと思ってなかったんでしょうけど、学習の形跡が見られます。弁護士の入れ知恵だと揶揄されても、再犯防止に学習は必要だし、量刑上も考慮される。
 奥村の場合は、勾留中にいろいろ資料を差し入れて、読書感想文を書かせています。

http://www.campo.jp/kikuchi/20070618.html
今はただ一刻も早く被害者の方に謝罪したい気持ちでいっぱいです。
サッカーを続けられるかどうかも含め、先のことは全く考えられません。
被害者の方に謝罪し、そしてご迷惑をおかけした全ての皆様に謝罪したいということしか頭にありません。
本当に申し訳ありませんでした。

 ただ、釈放された後、ちゃんと謝罪とか弁償するかというと、略式の場合はそこまでしませんよね。刑事処分が変わらないので。
 医師・歯科医師行政処分の関係があるので、さらに、弁償しますけど。