児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

サーバーが没収された場合、メールボックス利用者は刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法により保護される。

 第三者として参加できるんですが、参加しても、物としての媒体の没収が認められるか否かであって、データのコピーができるという規定はありません。

◎刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法
(昭和38年7月12日・法律第138号)
施行、昭38・8・1
改正、平23-法61・法74
第1条(この法律の趣旨)
刑事事件における被告人以外の者の所有に属する物の没収手続については、当分の間、この法律の定めるところによる。
第1条の2(適用対象)
この法律の適用については、被告人以外の者に帰属する電磁的記録は、その者の所有に属するものとみなす。
第2条(告知)
検察官は、公訴を提起した場合において、被告人以外の者(以下「第三者」という。)の所有に属する物(被告人の所有に属するか第三者の所有に属するかが明らかでない物を含む。以下同じ。)の没収を必要と認めるときは、すみやかに、その第三者に対し、書面により、次の事項を告知しなければならない。
一 被告事件の係属する裁判所
二 被告事件名及び被告人の氏名
三 没収すべき物の品名、数量その他その物を特定するに足りる事項
四 没収の理由となるべき事実の要旨
五 被告事件の係属する裁判所に対し、被告事件の手続への参加を申し立てることができる旨
六 参加の申立てをすることができる期間
七 被告事件について公判期日が定められているときは、公判期日
2 第三者の所在が分からないため、又はその他の理由によつて、前項の告知をすることができないときは、検察官は、同項に掲げる事項を政令で定める方法によつて公告しなければならない。
3 検察官は、前二項の規定による告知又は公告をしたときは、これを証明する書面を裁判所に提出しなければならない。
第3条(参加の手続)
没収されるおそれのある物を所有する第三者は、第一審の裁判があるまで(略式手続又は交通事件即決裁判手続による裁判があつたときは、正式裁判の請求をすることのできる期間が経過するまでとし、この場合において、正式裁判の請求があつたときは、さらに通常の規定による第一審の裁判があるまでとする。以下同じ。)、被告事件の係属する裁判所に対し、書面により、被告事件の手続への参加を申し立てることができる。ただし、前条第一項又は第二項の規定による告知又は公告があつたときは、告知又は公告があつた日から十四日以内に限る。
2 検察官が前条第一項又は第二項の規定により告知し又は公告した裁判所が被告事件を移送した場合において、その裁判所に参加の申立てがあつたときは、申立てを受けた裁判所は、被告事件の移送を受けた裁判所にその申立ての書面を送付しなければならない。この場合において、その書面が送付されたときは、参加の申立ては、はじめから、被告事件の移送を受けた裁判所に対してされたものとみなす。
3 裁判所は、参加の申立てが法令上の方式に違反し、若しくは第一項に規定する期間の経過後にされたとき、又は没収すべき物が申立人の所有に属しないことが明らかであるときは、参加の申立てを棄却しなければならない。ただし、第一項ただし書に規定する期間内に参加の申立てをしなかつたことが、申立人の責めに帰することのできない理由によると認めるときは、第一審の裁判があるまで参加を許すことができる。
4 前項の場合を除き、裁判所は、申立人の参加を許さなければならない。ただし、没収をすることができないか又はこれを必要としない旨の検察官の意見を相当と認めるときは、参加の申立てを棄却することができる。
5 裁判所は、参加を許した場合において、没収すべき物が参加を許された者(以下「参加人」という。)の所有に属しないことが明らかになつたときは、参加を許す裁判を取り消さなければならない。没収をすることができないか又はこれを必要としない旨の検察官の意見を相当と認めるときは、参加を許す裁判を取り消すことができる。
6 参加に関する裁判は、申立人又は参加人、検察官及び被告人又は弁護人の意見をきき、決定でしなければならない。検察官又は申立人若しくは参加人は、参加の申立てを棄却する決定又は参加を許す裁判を取り消す決定(第四項ただし書又は前項後段の規定による決定を除く。)に対し、即時抗告をすることができる。
7 参加の取下げは、書面でしなければならない。ただし、公判期日においては、口頭ですることができる。
第4条(参加人の権利)
参加人は、この法律に特別の規定がある場合のほか、没収に関し、被告人と同一の訴訟上の権利を有する。
2 前項の規定は、参加人を証人として取り調べることを妨げるものではない。

「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」について下 法曹時報64-05<第三者所有物没収手続応急措置法の一部改正>
第1条の2
(適用対象)
第1条の2 この法律の適用については,被告人以外の者に帰属する電磁的記録は,その者の所有に属するものとみなす。
(新設)
本条は,被告人以外の者に帰属する電磁的記録を,その者の所有に属するものとみなすことにより,第三者に帰属する電磁的記録の没収手続についても第三者所有物没収手続応急措置法の適用を可能にしたものである。
(1) 電磁的記録の没収は,刑法上認められている文書偽造における偽造部分の没収と同様,有体物の一部の没収として行うことができると考えられるが(刑事訴訟法第498条の2の解説1(1)を参照。).電磁的記録については,これを排他的に管理・処分することを内容とする所有権類似の物権的権利が成立し得ると考えられることから,第三者がそのような権利を有している電磁的記録を没収する場合には,その者の権利・利益を保護する必要があると考えられる。
この点,現行の第三者所有物没収手続応急措置法は. 「被告人以外の者の所有に属する物」(第1条)の没収手続について規定しているが,電磁的記録自体は所有権の対象とはならないと考えられることから,被告人以外の者が排他的に管理・処分する権利を有している電磁的記録を没収する場合には,同法は適用されないこととなる。
そこで,このような電磁的記録を没収する場合も同法の適用対象とすることにより,権利者の権利・利益を保護するため,本条が新設された。
(2) 電磁的記録がある者に「帰属する」とは,その者が当該電磁的記録を排他的に管理・処分する権限を有していることをいう。
通常電磁的記録は,その記録媒体の正当な管理者に帰属している場合が多いと考えられるが,記録媒体の利用形態等によっては,記録媒体の管理者でない者に帰属している場合もあり得るところであり,例えば,メールサーバのメールボックスに記録されている電子メールの電磁的記録は,メールサーバの管理者ではなく,そのメールボックスの利用者に帰属していると考えられる。
(3) 本条が適用され得る場合としては,例えば,被告人Aが所有するサーパのハードディスグに,共犯者Bが自己に帰属する電磁的記録であるわいせつ画像を記録・蔵置させ,両名が共謀の上,ネットワーグを介して,これを不特定・多数の者の閲覧に供したというわいせつ物公然陳列の事案において,被告人Aの公判において当該わいせつ画像の電磁的記録を没収する場合などが考えられる。