児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

森亮二「プロバイダの刑事責任」情報通信ジャーナル '05.12.

 読者の希望を代弁しているようですが、刑事法はそんなに甘くありません。
 法定しないと不安じゃないですか?
 幇助になったり正犯になったり。

今後について
プロバイダ等の刑事讃任の問題は、重要な問題であl)ながら、これまであまり議論されてきませんでした。速やかに必要な講論がなされないと、せっかく民事で議論を重ねてプロバイダ等のリスクを限定しようとした意味が失われてしまいます。少なくともこれまでに刑事責任を問われたのは、ここでご紹介した事件の各管理者のような違法情報に対しての強い積極的傾向をもつ管理者だけです。今後も、一般のプロバイダや掲示板が突然投稿された違法情報について刑事責任を負うことはまずないでしょうし、あってはならないでしょう。
なお、民事責任とのバランスの問題は、刑事にもプロバイダ責任制限法を作れば簡単に解決する、というものではありません。山口厚教授が指摘されるとおり、責任制限は、もともと責任の発生し得る場面で問題になることであり、不用意に「プロバイダ刑事責任制限法」を作ることは、プロバイダ等がアップロードされた適法情報について原則として責任を負うべき立場にあるのではないかとの誤解を招く虞があるからです。

 判例は「プロバイダ責任制限法は文字通り民事責任だけに関するものであり、刑事責任には適用されない。刑事責任については、従前の刑法理論(不作為犯、共犯)で対応する」という当たり前の姿勢です
 判例待っても蓄積しても、掲示板管理者やプロバイダの責任を軽くすることはないと思います。
 まあ、また立法するしかないんじゃないですか?