児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

CG事件判決とAI児童ポルノ~デジタルな私たち 児童わいせつ画像 AI作成はポルノ? 実際の写真と見間違う精巧さ 規制の要否 新たな課題 2023.08.08 京都新聞

 今になってCG事件の判決が効いています。
 実在児童が自撮りで供給してくれるので、CG・手描き・AIの需要は少ないと考えています。

 CG(実は手描き)事件では、警視庁は、既存の児童ポルノ写真集の「つぎはぎ」として立証したんだが、実際にはPhotoshopで白紙から筆で描いていたので、児童の実在性とか姿態の実在性が争点になった。

裁判年月日 平成28年 3月15日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平25(特わ)1027号
事件名 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判結果 有罪(懲役1年及び罰金300万円、執行猶予3年(求刑 懲役2年及び罰金100万円)) 上訴等 控訴<破棄自判> 文献番号 2016WLJPCA03156003
要旨
◆被告人が、児童ポルノ性の認められるCG画像3点を作成し、それらの画像を販売した事案において、当該CGに記録された姿態が、一般人からみて、架空の児童の姿態ではなく、実在の児童の姿態を忠実に描写したものであると認識できる場合には、実在の児童とCGで描かれた児童とが同一である(同一性を有する)と判断できるCGの画像データに係る記録媒体については、児童ポルノ法2条3項の「児童ポルノ」あるいは同法7条4項後段の「電磁的記録」として処罰の対象となると解すべきであり、当該CGが、実在の児童を直接見ながら描かれたのでなく、実在の児童を写した写真を基に描かれた場合であっても、それが同写真と同一と判断できる場合についても、同様と解すべきであるとした上で、本件CG画像3点は、被告人が、所持していた少女のヌード写真及びその画像データを用い、画像編集ソフトを使用して作成したものであり、写真との同一性が認められるほど精巧に作られたものであって、CG画像であるとはいえ、写真と比してその悪質性の程度が低いとはいえないと認定した事例
裁判経過
上告審 令和 2年 1月27日 最高裁第一小法廷 決定 平29(あ)242号 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
控訴審 平成29年 1月24日 東京高裁 判決 平28(う)872号 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
出典
判時 2335号105頁
エストロー・ジャパン

裁判年月日 平成29年 1月24日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平28(う)872号
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判結果 破棄自判・一部無罪、一部有罪(罰金30万円(求刑 懲役2年及び罰金100万円)) 上訴等 上告 文献番号 2017WLJPCA01246001
要旨
〔判示事項〕
◆児童の写真を素材にしたコンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)画像等における描写が、平成26年法律第79号による改正前の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項3号の「児童の姿態」に該当するか
◆児童の写真を素材にしたCG画像等の被写体である児童が、CG画像等の製造の時点及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の施行の時点において、18歳以上になっていた場合の児童ポルノ製造罪の成否(積極)
〔裁判要旨〕
◆児童の写真を素材にしたコンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)画像等における描写が、写真の被写体である児童を描写したといえる程度に、被写体と同一であると認められるときは、全く同一の姿態、ポーズがとられなくても、平成26年法律第79号による改正前の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項3号の「児童の姿態」に該当するとされた事例
◆児童の写真を素材にしたCG画像等の被写体である児童が、CG画像等の製造の時点及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の施行の時点において、18歳以上になっていたとしても、児童ポルノ製造罪は成立するとされた事例

判例タイムズ社(要旨)】
◆1.コンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)の素材となった写真の被写体である児童と全く同一の姿態,ポーズをとらなくても,当該児童を描写したといえる程度に,被写体とそれを基に描いたCG画像等が同一であると認められる場合には,平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ等処罰法」という。)2条3項の「児童の姿態」に該当する
◆2.児童ポルノ製造罪の成立には,被写体の児童が,児童ポルノ製造の時点及び児童ポルノ等処罰法施行の時点において18歳未満であることを要しない
裁判経過
上告審 令和 2年 1月27日 最高裁第一小法廷 決定 平29(あ)242号 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
第一審 平成28年 3月15日 東京地裁 判決 平25(特わ)1027号 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
出典
高刑 70巻1号10頁
東高刑時報 68巻28頁
裁判所ウェブサイト
判タ 1446号185頁 
判時 2363号110頁
高刑速 平成29年 73頁(3592号)
エストロー・ジャパン

裁判年月日 令和 2年 1月27日 裁判所名 最高裁第一小法廷 裁判区分 決定
事件番号 平29(あ)242号
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判結果 棄却 文献番号 2020WLJPCA01279001
要旨
◆児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」の意義
◆児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)7条5項の児童ポルノ製造罪の成立と児童ポルノに描写されている人物がその製造時点において18歳未満であることの要否

判例タイムズ社(要旨)】
◆1.児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」の意義
◆2.児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)7条5項の児童ポルノ製造罪の成立と児童ポルノに描写されている人物がその製造時点において18歳未満であることの要否
裁判経過
控訴審 平成29年 1月24日 東京高裁 判決 平28(う)872号 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
第一審 平成28年 3月15日 東京地裁 判決 平25(特わ)1027号 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
出典
刑集 74巻1号119頁
裁時 1740号3頁
裁判所ウェブサイト
判タ 1487号166頁 
判時 2497号102頁
評釈
村田一広・曹時 74巻9号212頁 
村田一広・ジュリ 1563号104頁 
仲道祐樹・ジュリ臨増 1557号126頁(令2重判解) 
鎮目征樹・論究ジュリ 38号234頁 
松本麗・研修 870号13頁
前田雅英・WLJ判例コラム 194号(2020WLJCC006)  
Westlaw Japan・新判例解説 1248号(2020WLJCC133)  
永井善之・法セ増(新判例解説Watch) 27号177頁
岡野誠樹・法セ増(新判例解説Watch) 27号13頁
玉本将之・警察学論集 73巻7号180頁
横山亞希子・警察公論 75巻9号86頁
菊地一樹・刑事法ジャーナル 65号119頁
上田正基・神奈川法学 54巻3号43頁

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1083122
AI作成の女児わいせつ画像は「児童ポルノ」か 規制の要否が新たな課題に
2023年8月8日 6:15
辻智也
学習したデータを基に画像イメージを出力する画像生成AI(人工知能)の普及に伴い、AIで作ったとみられる女児のわいせつな画像がインターネットで多数公開されている。実在する児童なら、児童買春・児童ポルノ禁止法(児童ポルノ法)に抵触するが、AI画像が取り締まり対象となるかは不透明だ。警察庁法務省は「個別に検討するしかない」と回答するにとどまり、規制の要否などが新たな課題となりそうだ。
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こうした画像は、高精度の画像生成AIの登場により、急速に広がっているとみられる。児童ポルノ法では、18歳未満の児童の裸や胸などを露出した画像の作成、公開を禁止している。2020年、CGで作られた児童ポルノを巡る裁判で、最高裁は「実在しない児童を描写した画像は児童ポルノに含まない」との判例を示した。漫画など架空の児童は同法の対象外とされる。

 一方、画像生成AIは、実在する児童の写真を基に画像が作れる。そうやって生み出された画像が、児童ポルノに該当するかはあいまいだ。警察庁人身安全・少年課は、AIで作った児童ポルノの摘発事例は把握していないとし、「児童が実在するかが焦点になると考えられるが、新しい技術で、生成方法も複雑なため、個別の画像ごとに検証するしかない」と説明する。

 法務省刑事局は「実在の人物を基にしたAI生成画像は、類似の程度によっては児童ポルノ法違反になる可能性がある」との見解を示す。生成方法や実在の人物かを問わず、わいせつ性が高いと判断されれば、わいせつ物頒布罪が適用される可能性もあるという。

 AIと性表現の規制に詳しい東洋大の加藤隆之教授(憲法)は、児童ポルノ法の保護対象が「裸にされる」などの実害に遭った児童としている以上、「実在の顔写真を基にAIが作った画像でも、その児童の裸体と同一性が認められない限り同法での摘発はできないだろう」と説明する。
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