児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

中学生と性交した場合の罰条 不同意性交罪(177条3項)と青少年淫行罪

 従前は、青少年条例違反で罰金30万円程度でしたが、R5.7.13以降の行為については「五年以上の有期拘禁刑」になります。酌量減軽されない限り執行猶予はつきません。

 177条3項の場合は16歳未満であることの認識が必要です。過失は処罰されません。刑法の関係では年齢確認義務はありません。
 タナー法による反論が可能でしょう。
 年齢知情が否定されると、青少年条例違反になって、過失処罰条項が出てきて年齢確認義務の話になります。

刑法
(不同意性交等)
第百七十七条 
1前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

https://www.pref.nara.jp/secure/24788/seisyounenn_jyourei_honnbunn.pdf
奈良県青少年の健全育成に関する条例
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第34条
1 何人も、青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し前項の行為を教え、又は見せてはならない。
第4章 罰則
(罰則)
第42条
1第34条第1項の規定に違反して青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
5 第34条第1項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことについて過失がないときは、この限りでない。

解説
8 第5項の「当該青少年の年齢を知らないことについて過失がない」とは、通常可能な調査が適切に尽くされているといえるか否かによって決められる。具体的には、相手方となる青少年に、年齢、生年月日、干支等を尋ね、又は身分証明書等の提出を求める等、客観的に妥当な確認措置を尽くしたにもかかわらず、青少年自身が年齢を偽り、又は虚偽の証明書を提出する等、行為者側に過失がないと認められる状況をいう。
過失がないことの証明は、行為者自身において行うことを必要とするものである。

https://mainichi.jp/articles/20230717/ddl/k29/040/230000c
京都の会社員逮捕 不同意性交等容疑 県内初 /奈良
地域
奈良
毎日新聞 2023/7/17
 生駒署は16日、容疑者(51)を不同意性交等容疑で逮捕した。「性交をしたことは間違いないが、19歳だと聞いていた」と一部否認している。性犯罪の成立要件を見直した改正刑法の施行後、県内での同容疑での逮捕者は初めて。
 逮捕容疑は、15日の午後6時50分ごろから約2時間半、県内のホテルで、16歳未満と知りながら、県内在住の10代女児と性交をしたとしている。
 同署によると、同日午後9時ごろ、母親が「娘が帰って来ない」と110番通報し、署員が容疑者と一緒にいる女児を見つけた。2人はネット交流サービス(SNS)で知り合ったという。