児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強姦致傷罪の法定刑について「刑の範囲として死刑および無期懲役・禁固が定められている」なんて言ってる弁護士

 法定刑について「死刑及び無期又は5年以上の懲役」とか言ってるバイキングの画像が流れてきて、まさか本物の弁護士が「死刑及び無期〜〜」なんて「懲役服役してから死刑」みたいなあり得ない解説するわけがないので、コラージュじゃないかと疑っているわけですが、
https://twitter.com/ksoutarotu/status/770159468491386880/photo/1

 それとは別に、
 実名の弁護士が「刑の範囲として死刑および無期懲役・禁固が定められている」と新聞記事でコメントしていました。
 死刑とか禁固刑とかあり得ないコメントです。「無期」というのは期間が決まってないけど懲役刑には変わりなく、強姦致傷を何件やっても無期懲役が上限です。
 法文見ないでコメントしてるんでしょうね。
 「計画性」については、裁判所の量刑DBでも検索項目に上がっていますので、計画性の有無とか犯意を生じた時期とかは量刑に影響します。
 懲役7年というのも半端な数字です。(集団強姦致傷の弁護人だった時に見た)裁判所DBの量刑分布では6年と10年のところがピークになっていました。(姦淫既遂は10年前後、姦淫未遂が6年前後なんでしょうね)
 だいたい、裁判員制度導入後、強姦致傷罪での起訴件数・起訴率が下がっていて、裁判所DBといっても2ケタの件数しかありません。

刑法第一八一条(強制わいせつ等致死傷)
2第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
第一二条(懲役)
1 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。
2懲役は、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160824-00000005-dal-ent
容疑者に対する量刑について、弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士は、デイリースポーツの取材に対し「懲役7年程度の実刑判決になる」との見解を示した。
 徳原弁護士によると、容疑者の罪状は、刑の範囲として死刑および無期懲役・禁固が定められている「強姦致傷罪」であるため、裁判員裁判で裁かれることになる。その上で「初犯であること、既遂であること、被害者の負傷程度が軽いことなどからすると、検察側の求刑は懲役10年前後、判決は懲役7年程度の実刑になると推測されます」と話した。被害者が負傷しておらず「強姦罪」であった場合は、懲役3年程度の量刑が予想されたという。
 計画的な犯行を否定していることに関しては「弁護人は情状の要件として主張するかもしれませんが、基本的に量刑にあまり影響は与えないと思います」と解説。「性犯罪に対しては裁判員の目も厳しくなる。当然、芸能界復帰は難しいでしょうし、お母さまの活動にも影響が及ぶのでは」とした。