児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

[FAQ児童ポルノ・児童買春]淫行相手が18未満だったのではないかという被害妄想

 こういうのもよくある相談で、精神科に行っても、18未満だと青少年条例違反とか児童買春罪とかで検挙される危険は減りませんので、先に警察に相談してから精神科にかかるようにアドバイスしています。
 調べてみると、25歳既婚だったり、16歳だったりします。一概に「妄想」ではありません。

http://www.sankei.com/west/news/151121/wst1511210004-n1.html
“未成年淫行”と聞いて、自分がその罪を犯したことで告発され、刑事罰を受けることになるのではないかという不安が募り、被害妄想まで抱くようになった30代の男性を思い出した。

 この男性は出張先で若い女の子と一夜の情事を楽しみ、いくらかのお金を渡したらしい。ところが、出張から帰って「年齢を尋ねたら、20歳と答えていたけど、本当は未成年だったのではないか。もし未成年だったら、自分は淫行の罪で罰せられる」と思い悩み、不安でたまらなくなり、夜も眠れなくなった。

 出勤途中も誰かに跡をつけられているような気がして、振り向いて目が合った相手を「警官だ! 僕を尾行しているに違いない」と直感した。会社でも、知らない人が受付に来ているのを見ると、「警官が取引先の人に変装してこの会社に入り込み、僕のことを探っているのかもしれない」と疑わずにはいられなくなった。

 そのため外出するのが怖くなり、会社にも行けなくなった。自宅にいても、近所の人や宅配便の配達員を見かけるたびに、「僕のことを見張るように警察から頼まれているんだ」と思い、常に監視されているような気がしたという。

 こういう状態が続いていたものの、不安を家族に打ち明けることはできなかった。やがて、食事も喉を通らなくなり、心配した家族が病院に連れてきて、入院することになったのである。
このような被害妄想を抱くことになったのは、この男性の心の中に潜んでいた強い罪悪感のせいと考えられる。出張先で若い女の子と性的関係を持ったことに罪の意識を感じたが、自分で自分を責めることに耐えられなかったため、外部に投影して、外部の警察や社会から責められているように感じたのだろう。

 こうした罪悪感が強いか弱いかは、元来の資質によるところが大きい。高い倫理観の持ち主ほど、強い罪悪感を抱きやすいようだ。