児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

警察庁による「児童ポルノ概念」の説明〜警察庁少年課課長補佐 友永光則「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正」警察公論2014年10月号

 周知徹底させるために引用しときますよ
 併せて読もう拙稿 法セミ pic.twitter.com/lwqH4G0Lb3

主な改正点
(3)児童ポルノの定義(2条3項3号)いわゆる3号ポルノの定義を「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部,瞥部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの」に改めることとされた。
ア「殊更に」の意義
「殊更に」とは,一般的には,「合理的理由なく」「わざわざ・わざと」の意味と解されているが,これは,当該画像の内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものか否かを判断するために加えられたものである。
その判断は,性的な部位が描写されているか,児童の性的な部位の描写が画像全体に占める割合(時間や枚数)等の客観的要素に基づいてなされるものと考えられる。
これにより,例えば,水浴びをしている裸の幼児の自然な姿を親が成長記録のため撮影したようなケースは,その画像の客観的な状況から,内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものでない限り,「殊更に露出され,又は強調されているもの」とは言えず,処罰対象外となる。
イ「児童の性的な部位」の意義
具体的には,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態のうち,児童の「性器等(=性器,虹門又は乳首)が露出」しているものを真に可罰的な要素とするとともに,「性器等」のみでは,例えば裸の児童を後方から撮影し,性器等が写っていない場合まで対象外となることから,性器の周辺部・啓部・胸部を含む「児童の性的な部位」にまで対象を広げたものである。
ウ「強調」の意義
「露出」のみでは,性的な部位が隠れてはいるものの強調・誇張されている場合が含まれないことから,性的な部位の「強調」も対象とすることとしたものである。
具体的にどのような場合が「強調」に当たるかについては,描写の方法を含めた,写真・映像等の全体から判断される。
例えば,着衣の上から撮影した場合や,ほかしが入っている場合や,児童が意識的に股間や胸を強調するポーズをとっていない場合であっても,性器等やその周辺部を大きく描写したり,長時間描写しているか,着衣の一部をめくり該当部分を描写しているか,等の諸要素を総合的に勘案して,性的な部位を「強調」していると判断されることはあり得る。