児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

わいせつ事件の原因と背景 by 長野県教育委員会

http://www.pref.nagano.lg.jp/kyouiku/kyousoumu/arikata/r1/1-4.pdf
【【【事例1】】 】】
男性教諭(30 代)は、担任する女子生徒から悩みの相談に応じていたが、携帯のアドレスを交換してからは、メールによる相談が増え、徐々に性的な内容を含むメールを送付するようになり、頻繁にメール交換するようになった。
また、女子生徒が卒業した後も、女子生徒に対してわいせつな行為をした。

■原因・背景
○ 生徒からのメールによる相談などに応じていたが、相談に限らず私的な内容のものが増える傾向にあった。
○ 生徒との適切な距離が保てず、教諭に甘さがあった。
○ メールを使って連絡していたため、同僚や保護者が気づけなかった。
◆課題
○ 教師と生徒との相談のあり方
○ 教師と生徒との節度ある関係
○ 校長、教頭との生徒指導に関する情報共有のあり方

【事例2】
男性講師(30 代)は、路上で帰宅途中の女子高校生に卑猥な言葉をかけたとして、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」違反の疑いで逮捕された。また、それ以前、駐車場で女子高校生の裸体をデジタルカメラで撮影し、パソコンに保存したとして、「児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護に関する法律」違反の疑いで再逮捕された。


■原因・背景
○ 講師として複数校を歴任していたが、以前の不祥事の情報が引継ぎされていなかった。
○ 怪しい雰囲気があり、気に入った生徒に近づくなど不適切な性癖があった。
○ 日常的にパソコンをいじっている時間が長く個人指向であり、周囲の職員 との関係が希薄であった。

◆課題
○ 個々の教員に関する生徒からの情報や問題点の把握等管理職への報連相
あり方
○ 当該教員の指導力に対する評価、指導は適切であったか。
○ 教育費削減に伴う講師比率の拡大

【事例4】
男性教諭(40 代)は、女子中学生が開設していたブログを読み、メールのやり取りをするようになった。その後、その女子中学生に対し、買春行為を行ったとして、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」違反で逮捕され、罰金 50 万円の刑事処分を受けた。
原因・背景
○ 家庭の問題や学級担任を離れたことなどにより、自分はダメな男だと自虐的に物事を考える傾向にあった。
○ 家族や同僚等への相談もしていなかった。
◆課題
○ 学校の中でやりがいを持てる校務分掌(業務分担)(特に学級担任を外すときの本人への説明と納得)のあり方
○ 管理職や他の同僚との人間関係(気軽に相談し、情報交換ができるなど)の構築