児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

子どもを対象とする暴力的性犯罪等に係る受刑者の釈放等に関する情報の警察への提供について(依命通達)

 公刊されています。

子どもを対象とする暴力的性犯罪等に係る受刑者の釈放等に関する情報の警察への提供について(依命通達)
平成17.5.19 矯成3045 矯正局長依命通達
昨今,子どもを対象とする暴力的性犯罪が社会問題化していることにかんがみ,今般警察庁及び当省との聞で,これらの犯罪等に係る受刑者の出所後の所在等に関する情報の共有について合意し,本年6月1日から,これを実施することとしたので刑事施設等(刑務所少年刑務所,拘置所及び少年院をいう。以下同じ。)においては,標記について,下記事項に留意の上.事務に遺憾のないように願います。

1 制度の趣旨
警察においては.,添付警察庁生活安全局長及び刑事局長通達(本日付け警察庁丙生企発第48号,丙地発第10号,丙刑企発第26号,丙捜一発第11号。なお,同通達とともに警察庁生活安全局長から送付のあった同日付け課長通知とを併せて「警察庁通達」という。)記の第1のとおり,子どもを対象とする暴力的性犯罪については,子どもの心身に深刻な影響を与え,保護者や地域住民に大きな不安感を与えることなどから,これらの犯罪等に係る受刑者の釈放等に関する情報の提供を受けて,前歴者による出所後の再犯を防止し.又はこれらの犯罪等が発生した場合における迅速な対応を図るために必要な措置を講じようとするものであり当局としてはこれに協力して,警察において必要とする情報を提供するものであること。
2情報提供の対象となる受刑者
情報提供の対象となる受刑者は,次のとおりであること。
(1)以下の罪名に係る受刑者で,被害者が13歳未満の者であるもの
ア強制わいせつ(刑法第176条)同未遂(同法第179条)及ぴ同致死傷(同法第181条)
イ強姦(同法第177条).同未遂(同法第179条)及ぴ同致死傷(同法第181条)
ウ営利目的等略取及び誘拐(同法第225条)のうちわいせつ目的のもの及ぴ問未遂(同法第228条)
エ強盗強姦(同法第241条前段)同致死(開条後段)及び同未遂(同法第243条)並びに常習強盗強姦(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第4条)
(2)上記(1)のほか出所後に子どもを対象とする暴力的性犯罪を犯す危険性が特に高いと判断されるとして,警察から情報提供の要請があった受刑者
3警察からの要請
(1)上記2(2)の要請は対象者の刑確定後に,警察庁生活安全局生活安全企画課長から当局に対し,書面を提出してなされること。
(2)当局においては,要請の対象者が収容されている刑事施設等の長に対し,上記(1)の書面を引き継ぐこと。
(3)刑事施設等の長は,要請の対象者を移送したときは,移送先の刑事施設等の長に対し,同書面を引き継ぐこと。
(4)要請の対象者が死亡したときは.刑事施設等は,警察庁生活安全局生活安全企画課に対し同書面を返戻すること。
4警察に対する情報提供
上記2の情報提供の対象となる受刑者を収容する刑事施設等の長は当該受刑者を釈放する場合,以下により警察に対し情報提供すること。
(1)情報提供の時期
ア懲役又は禁鋼の)の刑(以下「自由刑」という。)の執行終了(不定期刑の執行終了を除く。)による釈放の場合は自由刑執行終了予定日のおおむね1か月前に情報提供すること。
イ仮釈放による釈放の場合及び不定期刑の執行終了
による釈放の場合は,地方更生保護委員会による決定の通知があった後速やかに情報提供すること。ただし仮釈放について決定の通知が釈放予定日の1か月以上前にあった場合には釈放予定日のおおむね1か月前に情報提供すること。
ウ思赦又は自由刑の執行停止(執行停止期闘が1週間以下の場合を除く。)による釈放の場合は釈放予定の判明後速やかに情報提供すること。
(2)情報提供する内容
情報提供する内容は以下のとおりとすること。
ア釈放予定及び予定年月日
イ入所年月日
ウ帰住予定地{仮釈放の場合は仮釈放を許す旨の決定において定められた居住すべき住居)
エ収容中の特異動向その他参考事項
(3)情報提供の方法
警察庁生活安全局生活安全企画課長あてに.r性犯罪出所者情報JC別紙様式)を送付することにより行うこと。
(4)釈放予定に変更が生じた場合の取扱い
釈放予定について警察に対し情報提供を行った後仮釈放を許す旨の決定、同決定の取消し等があり釈放予定に変更が生じた場合には.その都度速やかに適宜の方法で警察庁生活安全局生活安全企画課に連絡すること。
なお,その場合には変更後の釈放正予定について,改めて「性犯罪出所者情報」(別紙様式)による情報提供を行うこと。
5個人情報の保護について
本通達において定める情報提供は行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第8条第2項第3号を根拠とするものであるが警察庁通達等によれば,警察においては刑事施設等が提供した情報を含む個人情報の取扱いに関し警察庁都道府県警察本部.警察署にそれぞれ管理責任者を置き,情報を取り扱うことができる者を限定することとされているほか.再犯紡止等のための措置を講ずるに当たっても出所者の改善更生や社会復帰等に十分配慮することとされており,個人情報の適切な管理がなされるものと認められること。
なお.情報を提供する刑事施設等においても.不必要な情報を提供したり,誤って情報提供するなど同法の趣旨に違背するようなことがあってはならないことは言うまでもないこと。
6本通達施行当初の取扱い
本年6月1日以降に釈放となり,上記2の情報提供の対象となる受刑者で.本通達の施行時に既に上記4(1)に定める情報提供の時期が経過しているものについては,本通達の施行後なるべく速やかに情報提供すること.
別添〔略〕