児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

研修740号「保釈された者について刑訴法96条3項所定の事由が認められる場合には,刑事施設に収容され刑の執行が開始された後であっても,保釈保証金を没取することができるとされた事例(最高裁判所第一小法廷平21. 12. 9)」

 郵便物が届かないとこういうことになります。
 上告審で保釈されて数年待っているうちに、住所変わってる被告人もいますよね。気をつけてくださいね。連絡して許可さえもらっていればいいわけですから。

研修740号
被告人は再々保釈された。
被告人はさらに上告したものの.平成21年2月24日.最高裁判所において,上告を棄却する旨の決定を受け,同年3月25日.被告人の上告棄却決定に対する異議の申立てを棄却する旨の決定を受け.同年4月1日に確定した。
その後,検察官は,同年4月17日付け呼出状を保釈許可決定の制限住居地に郵送(普通郵便)で発出したが,出頭を命じた同月24日に被告人は出頭せず.その後,簡易書留で発出した同年5月1日付け呼出状は保管期間経過により返送された。
その後の調査により.被告人は上記制限住居地に居住している形跡はなく.各種所在調査を行ったものの被告人の所在が判明しなかったことから,検察官は.同年8月10日.簡裁に対して保釈保証金の没取請求をした。
同年8月14日に至り,被告人は実家で発見されて身柄を確保され.同日.刑の執行のために拘置所に収容された。
簡裁は.同年9月9日.被告人が刑の執行のための呼び出しを受けながら.正当な理由がなく出頭せず.その後逃亡したことが認められることを理由として,刑訴法96条3項により.保釈保証金500万円のうち.300万円を没取する旨の決定をした。