児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

住居侵入強制わいせつ事件

 この事件が有罪かどうかはわかりませんが、こういう事件を併合罪にしている判決も時々あります。実刑でも。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090721-00000125-jij-soci
逮捕容疑は、21日午前1時20分ごろ、同区矢野東のマンションに侵入し、就寝中の女子高生(17)の腰を触るなどのわいせつな行為をした疑い。

 常識的には牽連犯(刑法54条1項後段)なので、弁護人が気づいて控訴すれば直してくれるはずなんですが、弁護人が判決書をもらってないか、「法令適用」までみてないんでしょうね。

第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
1一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

 奥村が地裁の判決書を見るときは、量刑の当不当は最後で、「罪となるべき事実」と「法令適用」を、「判決起案の手引」を見ながらチェックしています。量刑は証拠を見ないとわからないから後回し。
 こういうミスで控訴するかについては、被告人もピンと来ないところですが、誤った法令適用のままで刑の執行を受けさせるのでは、司法や刑罰の目的を十分達成できないと思うので、奥村弁護士控訴すべきとアドバイスすることにしています。後は被告人に一任。