児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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裁判員制度:被害者の求刑ほとんど論議されず 地裁で模擬裁判 /山梨

 被害者は、量刑相場を知ってても知らなくても、ほぼ全員、適法な処断刑の上限いっぱいいっぱいを求刑してくると思われますから、具体的な刑期を出しても出さなくても「被害感情は厳しい」という気持ちが伝われば同じだと思います。その意味で、被害者の求刑というのは、あまり意味がないと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000158-mailo-l19
裁判員制度:被害者の求刑ほとんど論議されず 地裁で模擬裁判 /山梨
12月11日14時0分配信 毎日新聞
 想定は、酒酔い運転の男(49)が対向車に衝突して男性(57)を死亡させた危険運転致死事件。検察官は懲役8年を求刑したが、被害者参加人として出廷した男性の妻の弁護士は「反省しているとは思えず、遺族は一生癒えることのない傷を負った」と懲役15年を求めた。一方、被告の弁護人は「二度と酒を飲まないと反省している」などと執行猶予付きの判決を求めた。
 裁判員と裁判官による評議の席には、過去の同様の事件での量刑を記した資料が配られた。資料によると05年以降の最高刑は懲役7年。渡辺康裁判官は「資料にとらわれないで」と話したが、裁判員は全員が懲役5〜7年との意見を出し、最終的に多数決で懲役6年の判決が決まった。
 懲役6年とした女性(43)は「法廷では被害者側の感情に流されそうになったが、量刑資料を見ていたので、あまり長い刑は現実的でないと思った」。また、懲役7年とした男性(74)は「被害者の心情を考えて10年くらいかなと思ったけど、判例を見るとそうもいかないのかな」と話していた。
 今回の模擬裁判は、被害者の訴えが裁判員の量刑判断にどう影響するか注目された。しかし実際は被害者側の求刑についてはほとんど議論されなかった。