児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童を使ったわいせつショー

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080729-00000102-mai-soci
調べでは、容疑者は28日午後3時20分ごろ、経営する店で従業員5人に、裸になり、男性客に体を触らせるなどのショーをさせた疑い。容疑者は「約20年前から同じ形態の店をやってきた」と認めている。
 従業員のうち3人は京都、大阪、兵庫の3府県の高校1〜3年。いずれも今月10〜20日にアルバイトで入店し、「夏休みに使う小遣いがほしかった」などと話しているという。同署などは、容疑者を児童福祉法違反容疑でも調べる。

 児童福祉法でいえば、1項9号「児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為」でしょうかね。
「児童を使ったわいせつショー」と言ってしまえば一個の行為とも思えますが、公然わいせつ罪は地裁(簡裁)、児福は家裁で泣き別れですね。一罪にならないか一応検討しましょう。

児童福祉法
第34条〔禁止行為〕
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二 児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為
三 公衆の娯楽を目的として、満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為
四 満十五歳に満たない児童に戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為
四の二 児童に午後十時から午前三時までの間、戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為
四の三 戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を、当該業務を行うために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項の接待飲食等営業、同条第六項の店舗型性風俗特殊営業及び同条第九項の店舗型電話異性紹介営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為
五 満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為
六 児童に淫行をさせる行為
七 前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為
八 成人及び児童のための正当な職業紹介の機関以外の者が、営利を目的として、児童の養育をあつせんする行為
九 児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為

東京高等裁判所判決昭和41年10月12日
高等裁判所刑事判例集19巻6号719頁
高等裁判所刑事裁判速報集1534号
東京高等裁判所判決時報刑事19巻10号212頁
判例タイムズ204号146頁
 論旨第一点
 所論の一、二は要するに児童福祉法三四条一項九号にいう「児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為」とは、同条一号ないし六号に定めているような児童の心身に有害な影響を与える実質犯を未然に、これを実行させる目的をもつて自己の支配下に置く危険な状態を処罰することによつて児童を保護しようとする規定と解すべきであるから、この解釈を拡大し右一号ないし六号に属しない本件ヌードモデルをさせる行為にまで及ぼすことは間違つており、原判決の法令適用には誤りがあるというにある。
 よつて児童福祉法一条に掲げる児童福祉の理念、本条項制定の趣旨等を参酌して右三四条一項九号の律意を考察するに、児童の心身に有害な影響を与える行為は、一般に必ずしも同条一号ないし六号に掲げる行為に限らないことは敢て論ずるまでもないところであつて、ここに掲げられている行為は、現在の社会において屡々発生する典型的な且つ有害な影響を与えることの度合が強大な場合であるに過ぎない。従つて、児童の心身に有害な影響を与える行為は多種多様であるので、取締の徹底を期しその発生を未然に防止する目的で九号においては抽象的に児童の心身に有害な影響を与える目的をもつて児童を自己の支配下に置く行為を禁止することとし、これに対して一号ないし六号等は前述した典型的な行為を捕えて児童が行為者の支配下にあると否とを問わず禁止する趣旨であると解するのが相当であつて、所論のように、右一号ないし六号の実質犯のいわば実行着手前の未遂型態のみに限つて禁止の対象とすると解することは余りにも狭きに過ぎる解釈であつて採用するに足りない、蓋し、文理的にみても若し所論のような趣旨であるとすれば、九号のような表現を採るまでもなく、七号冒頭のように「前各号に掲げる行為をさせる目的をもつて……」と表示すれば事足りる筈である。それ故この点に関し弁護入の主張を排斥し右に述べたところと同趣旨に出でた原判決の解釈は正当である。ところで本件において原判決の認定したヌードモデルの行為は、その挙示する証拠に徴せば被告人はいずれも一八歳未満のA子、B子をその年令を確認したりその親権者の同意を得る手続をしないで雇い入れ、原判示ヌードスタジオ「C」でヌードモデルをさせたのであるが、ヌードモデルは、Cに午後四時ないし午後五時過ぎに出勤し、翌日午前一時ないし午前二時過ぎまで勤務し、交代で同店々頭に立つて客引きをして勧誘に応じて来たお客を個室に案内して椅子にかけさせ、自らはショートパンティ一枚の裸体になつて客の面前でその希望するポーズをとつて見せ、三〇分周に八〇〇円を最低とし、そのとつた姿態、時間等に応じて割増料金をとり、これをモデル四分、被告人六分の割合で取得する仕組みであること、右の個室には画用紙など用意してあるもこれを使つて写生するようなお客は殆んどなく、又、お客によつてはパンティをぬぐこと或はわいせつな姿態をとることを要求したり、自らモデルの恥部等に触れようとするものもある事実を認めることができる。
 若しそうだとすると、ヌードモデルを使用する目的が芸術的な意図をもつてする写真の撮影ないし絵画の製作にあることの認められる証拠の皆無な本件においては所論のようなパンティ着用の有無に拘らず右に認定したような場所時間における被告人の営業ないし行為は、まさに児童福祉法三四条一項九号において禁止する児童の心身に有害な影響を与える行為といわざるを得ない。