児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

有害情報対策でまず考えるべきは、罰則ではなく「責任制限」

 発信者情報の保存義務と保存期間を法定してくれないと、開示請求する前に、消されちゃうので、責任追及できなんですけど。
 やってみればわかりますが、プロバイダ責任制限法は何かと救済手続のハードルも高くなっているという感想です。それじゃ、二次的に管理者に責任追及という発想になる。
 もっと発信者へのハードルを下げてもらわないと。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2008/05/02/19444.html
● 有害情報対策でまず考えるべきは、罰則ではなく「責任制限」
 法案そのものについては、自民党の「高市案」において「行政処分や立ち入り検査など、物騒な話」が盛り込まれている点を指し、「プロバイダー責任制限法の時と同じだが、最初にやるべきは行政処分ではなく、責任制限だろう」との考えを示した。

 例えば、ISP学校裏サイトの情報を親や先生に開示した場合、訴えられて賠償金を請求される可能性もある。違法・有害情報対策でISP側に善意があった場合は、「きちんと法的リスクから守ってあげるから、きっちり対応しなさいよ」というところから始まるべきだとした。

 この問題は、シンポジウムの参加者の高校生からも指摘された、いじめに関する有害情報の線引きが難しいという点にも関連してくる。楠氏は「いじめの情報を削除することが正しいのか」と疑問を投げかけ、「そこで情報を消しても、人間関係としてのいじめは変わるものではない。いじめを有害情報として定義し、それに削除義務を課すのは賢いやり方ではないと思う」とコメント。ほかに何ができるのかをいろいろ考えたという。

 「例えば、学校裏サイトでのいじめに親や先生が仲裁に入りたくても、今は掲示板にパスワードかかっていると何もできない。被害児童の関係者だということを証明する書類とともに『問題が起きているので見せてください、介入させてください』と言われた時に、パスワード開示などを行なうことについて責任制限をかけるなど、いろいろなやり方がある。」