何を見て書かれたのかは知りませんが、児童への強姦既遂だと、なかなか執行猶予にはなりません。起訴前に示談して不起訴は多いですが。
法務省と最高裁に問い合わせれば、統計データが出ると思うんですけど。
松井 茂記(カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学教授)「性犯罪から子供をどう守るのか」エコノミスト 第85巻 第28号 通巻3896号 50〜53頁
後を絶たない子供に対する性犯罪。日本の対策は遅れており、米国などの例を参考にしながら、子供を救う道を探るべきだ。
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だが、これまで日本では、このような性犯罪、とりわけ子供に対する性犯罪に真剣に取り組んでこなかったような気がする。
そもそも性犯罪に対する処罰も決して重くない。犯罪白書によると、1996年から05年にかけて1702人が強姦罪で送検されているが、そのうち起訴されたのは1027人にとどまる。起訴率は約60%にすぎない。強姦罪は、3年以上の有期懲役であり(刑法第177条)、強姦致死傷は無期または5年以上の懲役(同第181条2項)だが(ただし、04年の刑法改正までは強姦罪は2年以上の有期懲役だった)、実際にはそれほど重い刑が科されることは少ない。強姦、強制わいせつ、公然わいせつ、わいせつ文書配布などを含む数字だが、05年に裁判にかけられた2339人のうち、▽無罪とされたのは8人▽有罪とされた人のうち無期懲役はわずかに2人▽有期懲役を宣告されたものが2319人。そのうち執行猶予とされたものは1330人で、57・4%に及ぶ。そのうち保護観察が付されたものは、172人にすぎない。このことは、強姦罪で検挙されてもかなりの人は起訴されず、起訴されても少なからぬ人は執行猶予とされ、何ら治療も矯正教育も受けずに放置されていることを意味する。