児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

当番弁護士にも否認。

 依頼者が弁護士に言った言わないというトラブルはいやなので、最近、接見でも、目前で打ち合わせメモを作って、事務所宛にメールして、印刷して差し入れています。打ち合わせの可視化。

http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY200703040205.html
 男性は02年3月に起きた強姦未遂事件で県警から同4月に任意の取り調べを受けた。当初否認したが、聴取3日目に自白。県警は男性を逮捕した。当時、同居していた父親は入院中で、一人暮らしだった。
 男性によると、任意の取り調べの際、取調官から「家族が『お前に違いない、どうにでもしてくれ』と言っている」などと何度も迫られた。「犯行時間帯には電話をかけていた」と訴えても、取調官は「相手は電話を受けていないと言っている」と認めず、「家族にも信用されていないし何を言ってももうだめだ」という心境になったという。
 逮捕後、思い直して、検察官と裁判官に対し一度は否認した。その後、県警の取調官から「なんでそんなこと言うんだ、バカヤロー」と怒鳴られた。翌日、当番弁護士にも否認した。すると、取調官から白紙の紙を渡され、「今後言ったことをひっくり返すことは一切いたしません」などと書かされ署名、指印させられた。「『はい』か『うん』以外は言うな」と言われ、質問には「はい」や「うん」と応じ続けたという。
 起訴後の弁護士は国選で、数回やりとりをしたが、すでに取り調べで罪を認めざるを得ないと思い詰めていた。「否認しても信じてもらえない」と、公判でも一貫して認め続けた。
 男性は「誰かが、がんばれがんばれと言い続けてくれたら、がんばることができたかもしれない」と無念さをにじませた。判決を言い渡され「申し訳ございませんでした」と言ったが、「やってもいないのに、何でこんなことを」と悔しくて涙が出たという。

 奥村がよく聞くのは、年齢知情の問題。ときどき、元被告人(在宅・獄中)から、
   実は被害者の年齢を知らなかった
   ××弁護士も認めた方がいいと言っていた
   納得できない
   裁判をやり直したい
という相談がありますが、それこそ再審請求になるので、後から言い出してもなかなか取り返しがつきません。

 児童ポルノ・児童買春・児童淫行罪・青少年条例違反・強姦・強制わいせつの児童・青少年の知情(年齢知情・不知)については、奥村弁護士は、
    知っていれば知っていた、知らなかったら知らないと供述せよ
    警察に合わせて背伸びする必要はない
    知らなかったという主張が通れば、起訴されないであろう。
    ただし、知っていたのに知らなかったと供述した場合、
    不合理な弁解と評価されて・・・の量刑になる。
という姿勢です。児童ポルノの個別の被害児童についても同じ。

 弁護士の中には、否認事件は弁護人にも面倒なので、
   認めた方が楽になる・軽くなる
と自白を勧める人もいますが、軽い罪ならともかく、福祉犯・性犯罪は認めても重いわけだから、慎重に語るべきだと思っています。