児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

『インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン』等の公表について

 パブコメ、面倒だから出さなかったんですが、実は、裁判所に「掲示板管理者の刑事責任についてはこのガイドラインを採用してください」とお願いした事件の判決を待っていますので、その当否とか適用範囲についても判断があると思います。

○ 児童(18歳未満)に該当する場合
・ 画像等に描写されている対象者の外見(例:陰毛がない、幼児、小学生にしか見えない)から明らかに18歳未満と認められる場合
・ 画像等に描写されている対象者の外見に加え、附随する情報(対象者の年齢に関する情報等)、対象情報が掲載されているウェブサイトや電子掲示板に掲載されている他の情報(他の画像等の内容等)等から、18歳未満と認められる場合

というのは、要するに、もっぱら画像の人物(顔・体つき)で判断することになって、「これはどうなんだ」という相談が多いです。
 プロバイダーは小児科医じゃないから、素人の常識的判断でいいと思います。
 見かけ20歳の人がセーラー服を着て「中高生」って説明してあっても、「20歳」ですからね。
 

http://www.telesa.or.jp/consortium/Illegal_info/20061127.htm
インターネットは国民の社会活動、文化活動、経済活動等のあらゆる活動の基盤となる等国民生活にとって必要不可欠な存在となっておりますが、一方で、インターネット上における児童ポルノの公然陳列、違法な出会い系サイト、規制薬物の濫用を唆す情報等の法令に違反する情報の流通が社会問題となっております。
 これらの違法な情報については、発信側への対応、受信側の対応等が行われているところですが、情報の流通の場を提供する電子掲示板の管理者やウェブサーバの管理者においても、何らかの対応が可能な場合があります。しかしながら、電子掲示板の管理者等は、必ずしも法律の専門家を擁しているわけではなく、又、容易に相談できる状況にない場合もあるため、特定の情報の流通が法令に違反するか否かの判断に関し、法解釈及び事実認定の両面から困難が生じる場合があります。
 このような状況をふまえ、電気通信関連4団体において、違法な情報に対して適切かつ迅速な対応を行うことができるよう「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン(案)」、および「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項(案)」を取りまとめ、同案について、10月25日から11月15日まで意見募集を行いましたところ、合計19件のご意見をいただきました。ご意見をいただきました方々のご協力に御礼申し上げます。
 このたび、皆様からお寄せいただいたご意見をふまえ、「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」、および「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」を策定しましたので、公表いたします。
 本ガイドライン等は、電気通信関連4団体に属さないプロバイダや、電子掲示板やウェブサーバの管理者等においても、違法な情報等への対応に際しては、本ガイドライン等を参考にしていただきたいと考えております。
 今回のガイドライン等の公表の結果、インターネット上の違法な情報への対応指針が明らかになることにより、適切かつ迅速な対応が促進されることを期待しております。

↓こんなのは当然であって、言わずもがなです。

http://www.telesa.or.jp/consortium/pdf/20061127think.pdf
提出された意見の概要及びそれに対する考え方
児童ポルノが実在する児童を描写したものに限られているのはご意見のとおりです。ご意見を踏まえて、ガイドライン中の「児童ポルノ」という用語に以下のような注記を加えることとします。
「本ガイドラインでいう「児童ポルノ」とは実在する児童を描写したものを指し、「実在しない児童」を描写した画像等を含まない。」


なお、このガイドラインは法律ではありませんから、裁判所は、刑法総則の解釈の範囲で、いろいろ対応してくると思います。


追記
 「素人でもわかるように」とはいうけれど、画像の人物が児童かどうかについて警察が小児科医や産婦人科医に判断させている点については、管理者に判断させているところは、免責する仕組みが必要ですね。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/27/news076.html
ガイドラインは、わいせつ物の公然陳列や児童ポルノの公然陳列、売春防止法違反、出会い系サイト規制法違反、薬物関連法規、振り込め詐欺関連法規、携帯電話不正利用防止法違反など違法な書き込みについて、法律に明るくない管理者でも、違法と判断できる基準を定めた。