弁護人から一言。
最後の方は歯切れが悪いですね。
いっそ、単純な複製行為も処罰対象にすべきだと声を上げた方がいいんじゃないですか?
児童ポルノが増えるんだし、児童ポルノ持ってる人しか困らないでしょ。
(3)ところで,本決定がこのように解する理由については,判決の中で必ずしも明確にされていないが,本掛こ当たる第2次以降の製造行為なのか,それとも処罰対象から除外される「複製」なのかの判断は,結局のところ,当該行為が本罪の実行行為に該当するかどうか,すなわち,当該行為が「児童に姿態をとらせて描写することで児童ポルノを製造する」行為と言えるかどうかによることとなろう。
そして,その判断に際しては,児童ポルノの単純所持が処罰されないこととの均衡や,単純な「複製」を処罰から除外しようとする趣旨に鑑み,例えば,①第1次製造行為の性質(第2次以降の製造行為を予定するもの,かどうか等),②第2次以降の製造行為の態様,③第2次以降の製造物の性質④第1次製造行為と第2次以降の製造行為の関連性(行為者の主観,時間・場所の間隔等)等の観点から多角的・総合的に判断することとなろうが,いずれにしても,本件は,第1次製造行為が比校的容量が少なく一時的な記録媒体として使用されることの多いメモリースティックへの描写であって,多くの場合はハードディスクへの画像データコピー等の第2次製造行為が予定されていること,ハードディスクへのコピーは劣化を伴わないこと,ハードディスクに保存された画像データは更なるコピーが容易であり,なお流通の危険が高いこと,被告人は第1次製造行為の当初から第2次製造行為を行うつもりであったこと,第1次製造行為と第2次製造行為とは同じ日に行われたこと等の事情からすれば,当該ハードディスクへの画像データのコピーが本罪の実行行為に該当することは明らかと言えよう。
おわりに
今後も「児童に姿態をとらせた者」による第2次製造行為が問題となることが数多く起こり得るため,本決定の先例的価値は大きいと思われる。ただ,個々の事例において当該第2次以降の製造行為が本罪の実行行為に当たるかどうかについては,多角的に検討を行った上で慎重に判断する必要があると思われる。