こんな相談が多いので、多少不正確な点は覚悟していただいて、ザックリ説明します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060214-00000212-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060214-00000105-jij-soci
に見られるような
- ××歳とは知らなかった
- 18歳(以上)だと聞いていた
という主張。
客観的には児童買春罪の構成要件を満たす。結果は生じています。
昔からこういうことをする児童は年齢をごまかすことがあります。
無店舗型風俗営業店(デリヘル)でも、13歳が18歳として働いています。そういう世の中ですから、
まさか本物の児童が売春しているとは思わなかった
という弁解は通じない。
明確には年齢を知らなかったとして、未必の故意はあるんじゃないかというのが微妙な問題です。
行為者は被害児童とメールなどで接触した後(そこで18歳、19歳と言ってたとしても)、話したり全身を見たりしているわけですが、そうやって得た情報から、
児童かも知れないけど、まあいいや
と思えば、故意あり。
児童ではないだろう
と思えば故意無し。
じゃあ
児童ではないだろうと思った
といえばいいのかといえば、そうはいかない。
悩ましいのは、被害児童と会って全身を見ていることです。
一般論として
- 13歳の児童の体は、だいたい13歳に見えますよね。話し方も13歳っぽい。
- 14歳の児童の体は、だいたい14歳に見えますよね。話し方も14歳っぽい。
- 15歳の児童の体は、だいたい15歳に見えますよね。話し方も15歳っぽい。
- 16歳の児童の体は、だいたい16歳に見えますよね。話し方も16歳っぽい。
ですよね。
とすると、一般人を基準にすれば、少なくとも、
児童かも知れないけど・・・
という意識があるはず。
そうすると、未必的故意が認められやすい。事実上の推定。強弱はありますが。
となると、
児童ではないだろうと思った
というのはなかなか信用されにくい。そういえば無罪放免というわけにはいかない。
当初年齢知情の点で否認している被疑者も、
13歳が18歳に見えるかよ!
14歳が18歳に見えるかよ!
15歳が18歳に見えるかよ!
なんて、ネチネチ追及されると
そういわれれば13〜15歳の裸をみたわけで、
児童かも知れないとは思いましたが
かまわないと思って性交等してしまいました
と折れてしまう。(実際には、確定的故意まで折れてしまいます。)
となると、本当に
児童ではないだろうと思った
という場合には、
- 13歳の児童の体は、だいたい13歳に見えますよね。話し方も13歳っぽい。
- 14歳の児童の体は、だいたい14歳に見えますよね。話し方も14歳っぽい。
- 15歳の児童の体は、だいたい15歳に見えますよね。話し方も15歳っぽい。
- 16歳の児童の体は、だいたい16歳に見えますよね。話し方も16歳っぽい。
という事実上の推定を破るような、きっちりした主張・立証が必要となります。
(具体的な話は、確定的故意の買春犯人に口実を与えることになるので差し控えます。)
身柄事件ではそれを、逮捕勾留当初から一貫してやることになります。これはしんどいです。
ただ、推定の強弱に応じてしんどさにも程度があって、
- 真実13歳→児童ではないだろうと思った
- 真実14歳→児童ではないだろうと思った
というのは、かなりしんどいが、
- 真実17歳→児童ではないだろうと思った
は比較的容易とはいえます。
なお、自主申告の事件(「年齢認識ない」と言い張るので、完全な自首にはならないけれど、)の場合は、「自首」という信用されやすい要素があるし、裏付け証拠集めもできるので、比較的楽。