盛り場で中高生を連れている大人、ホテルから中高生と出てきた大人が、職務質問されて、児童買春が発覚することがあります。
その場で逮捕されることもあると思いますが、その場合は当番弁護士にお願いしてもらうことにして、
その場では人定を取られて後日呼び出しという場合についての相談がよくあります。
要するに「逮捕されるのか?」という相談なんですが、弁護士として最悪の場合を想定するならば、「逮捕されます」。
関東地方の県警と首都圏の警察の事例を知っています。
相談者「逮捕されますか?」
弁護士「悪い方を予想すれば、児童買春罪は法定刑も重いし、証拠が消えやすいから、逮捕されるでしょうね。」
相談者「では、なぜ、現場で逮捕しなかったか?」
弁護士「被害者の年齢を戸籍謄本などで慎重に確認する必要があるとか、買春行為の裏付けを先行させたとかでしょう。」
相談者「刑事さんは『後日連絡する』って言ってたのに、いきなり逮捕できますか?」
弁護士「それはなんら逮捕の支障にならない。弁護士としては、逮捕を回避したり、逮捕後の拘束期間を短縮する方策がないことはないからそれを勧める。後で恨まれないように、紙に書いておくから・・・。そっちを選択するならいつでもいいよ。見積もつけとくから。」
相談者「私は『逮捕されない』方に賭けたい」
弁護士「それは貴殿の選択だ。幸運を祈ります。」
というやりとりがあって、数日後、逮捕。提案と見積書も押収。遠方の留置場から接見希望。
同様の相談をされた方で、逮捕されなかった人は知りません。御無事で連絡がないだけかもしれませんが。
弁護士としては、ただでさえ端緒が掴みにくくて警察が手をこまねいている状況(起訴率95%)なのに、被疑者と被害者を特定できて児童買春罪の要件を充たす事案を立件せずにそのまま放免してくれることは期待すべきではない・期待させるべきではないと考えています。