児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

上告趣意書

 画像掲示板の正犯・作為犯の事件
 事実誤認は無いので、理屈の上に理屈を重ねています。
 控訴趣意書よりは短縮。

事件名:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護に関する法律違反
事件番号:平成16年あ第    号

平成16年9月 日
最高裁判所第一小法廷 御中

弁護人弁護士 奥  村   徹  

上告趣意書

 弁護人の上告の趣意は下記の通りである。
 なお、第1部〜第8部は各上告理由の前提として上告理由と一体をなすものである。
 また、弁護人には児童ポルノを肯定する思想はなく、本件についてもそのような主張はしていない。

第1部 凡例 8

第2部 原判決等 9
第1 勾留状における被疑事実 9
第2 起訴状 11
第3 求釈明に対する釈明 12
第4 冒頭陳述 13
第5 一審判決 14
第6 原判決 16
第7 時系列 26

第3部 児童ポルノに関する判決例 27
第1 大阪高裁H12.10.24所持罪*1 27
第2 京都地裁H14.4.24販売罪*2 28
第3 大阪高裁H14.9.12販売罪(前記京都地裁判決の控訴審)*3 29
第4 奈良地裁平成14年11月26日 32
第5 大阪高裁平成15年9月18日(上告棄却で確定) 33
1 本件控訴の趣意 33
2 当裁判所の判断 33
3 破棄自判 38
(罪となるべき事実) 39
(法令の適用) 40
(量刑の理由) 40
第6 東京高裁平成15年6月4日*4(被告人上告) 42

第4部 ネット上のわいせつ物陳列罪に関する裁判例 44
1 京都地裁H9.9.24*5 44
2 大阪高裁H11.8.26*6 44
3 最高裁H13.7.16*7(上記大阪高裁H11.8.26の上告審) 45

第5部 「ホームページに画像を掲載するということ」の現象面 46
1 WEBへの掲載 46
2 WEB掲示板の構造 47

第6部 不真正不作為犯 51
1 不真正不作為犯の成立要件 51
2 不真正不作為犯に関する裁判例 53
【事件番号】大阪高等裁判所判決/平成元年(う)第809号*8 53
【事件番号】札幌高等裁判所判決/平成11年(う)第59号 54

第7部 児童ポルノ罪の立法経緯・立法目的 55
第1 児童ポルノ販売罪の立法経緯・立法目的の確認 55
1 国会議事録 55
2 参議院法制局の説明*10 55
3 学説 56
(1)西田典之・鎮目征樹  56
(2)木村光江 56
(3)園田寿 57
(4)大塚仁 59
(5)加藤久雄  59
(6)伊東研祐 59
4 法務省公安課長の見解 59
5 児童ポルノと闘う国際社会 60

第2 児童ポルノの罪の保護法益について 62
1 条文上の根拠 62
(1) 本法  63
① 立法趣旨 63
② 被害者保護規定 63
③ 年齢知情規定 64
④ 構成要件の分析 65
⑤ 児童ポルノ各罪の構造 66
⑥ 改正案 69
(2) 刑事訴訟法改正条項 72
(3) 被害者保護法による取り扱い 73
(4) 児童福祉法 75
(5) 最近の児童保護立法について 76
(6) 社会的法益説の根拠条文 77
2 社会的法益説の不当 78
3 立法段階での議論 81
(1) 趣旨説明 81
(2) 親告罪とする可能性 82
(3) 従来の刑法犯との比較 82
(4) 児童の実在性 83
(5) 被害者がいる社会的法益の罪とする余地 83
4 実務家の見解 83
(1)「警察官のための特別法犯・犯罪事実記載例」(令文社)P171 84
(2)元検事正佐野慎一・検事吉田広司「犯罪事実データベースver.2.0」 85
(3)犯罪事実記載の実務 特別法犯Ⅰ P77 85
(4)実務家のための刑法概説P500  86
(5)法務総合研究所「研修」(平13.4,634号)P3〜 86
(6)尾島明最高裁調査官の見解 87
5 児童買春罪との整合性 87
6 児童ポルノ製造罪(撮影行為)との整合性 88
7 児童福祉法との関連性 90
8 被害者救済上の問題点 91
9 参議院国民福祉委員会 92
10 参議院法務委員会 93
11 法務省刑事局長通達*31 94
12 法務省刑事局長の回答*32 95
13 判決例 95
(1)大阪高裁判決H12 95
(2)京都地裁判決(平成12年わ第61号) 97
(3)京都地裁H14.4.24 販売罪*33 98
(4)大阪高裁H14.9.12 販売罪(前記京都地裁判決の控訴審)*34 98
(5)東京高裁平成15年6月4日(被告人上告) 101
(6)アメリカの判例New York v. Ferber 103
(7)アメリカの判例Ashcroft法務長官外 対 Free Speech Coalition外 106
14 平成16年改正 107
(1)法文 107
(2)新旧対照表 109
15 まとめ 111

第8部 事実認定の手法 112
第1 何を認定するのか 112
第2 年齢認定の手法 116

第9部 上告理由 118
●上告理由第1 憲法の違反・判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜公然陳列罪の処罰は「検閲」(憲法21条2項)である。 118
●上告理由第2 憲法の違反・判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜公然陳列罪の処罰は「表現行為の事前抑制」(憲法21条1項)である。 123
●上告理由第3 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認〜正犯となりえない・正犯の実行行為がない 127
●上告理由第4 判例違反〜陳列場所を提供する行為は幇助である 138
●上告理由第5 憲法の違反・判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜「陳列」には不作為を含まない・憲法21条1項・31条違反 142
●上告理由第6 判例違反〜公然陳列罪の実行の着手時期 151
●上告理由第7 判例違反・判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜「陳列罪は状態犯」 158
●上告理由第8 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜訴因不特定(作為義務) 160
●上告理由第9 判決に影響を及ぼすべき法令の違反(罪数) 170
●上告理由第10 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜プロバイダ責任制限法による免責 176
●上告理由第11 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜訴因不特定(実行行為地) 187
●上告理由第12 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜訴因不特定(実行行為日時) 190
●上告理由第13 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜口頭の訴因変更は無効である。 195
●上告理由第14 判決に影響を及ぼすべき法令の違反〜法律上の削除義務がない 200
※ 注釈 247
※ 注釈おわり 389