児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

FLMASKリンク事件

 画像掲示板の陳列罪正犯(東京高裁H16)の上告理由に使えないかと裁判例を探しています。この大阪地裁判決の言いまわしを借りると幇助じゃないのか。(この言いまわしを借りると、winny幇助犯の判決文が予想できます。この辺を重点的に争わないと。)
 地裁の判決は、裁判例としては使えますが、上告理由としての「判例」としては使えないですよね。軽く控訴しておいてもらえればと思います。弁護団事件なのに。
 なお、小池検事の評釈が警察公論01'02にあって、単なるリンクが幇助になる訳ではないという解説が付いています。

 この弁護団の顔ぶれを見ると、当時は注目されていたことが判りますね。
 それに引き換え、児童ポルノ掲示板事件は注目されませんな。

http://lawschool-konan.jp/sonoda/data/fl_link02.html
大阪地裁H12.3.30 わいせつ図画公然陳列幇助被告事件
(4) 以上、(2)及び(3)に検討してきたところによれば、被告人は、本件正犯者らにリンク許可依頼メールを送信する時点において、そのようなメールを送信すれば、マスク付きアダルト画像を掲載するアダルトサイトオーナーらが「エフエルマスクサポート」にアクセスしてFLMASKの存在を知り、同ソフトにマスク除去機能があることを認識し、これを使用して画像のわいせつ部分に除去可能なマスクをかけることを予測していたのみならず、同オーナーらが、自己のホームページに「エフエルマスクサポート」へのリンクを設定する等の方法で、ホームページにアクセスする者のマスク除去の便宜を図ろうとする事態について、認識を有していたと推認することができる。
 被告人は、自らが開発したFLMASK及び「エフエルマスクサポート」のURLが、右のとおり、専ら卑猥なアダルト画像のマスク除去に関連して用いられることを認識しながら、あえて、自発的に個々のアダルトサイトオーナーにリンク許可を申し出て接触を求め、「エフエルマスクサポート」のURLを知らせるとともに、FLMASKの使用を推奨する行為を行ったものと評価できるのであり、被告人に、正犯者らの犯罪行為を容易にしこれを助長促進する幇助意思のあったことは、優に認めることができるといわなければならない。