児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

送信可能化権侵害罪事前抑制説

 「送信可能化権侵害罪」というのも造語ですが、こんな説を作った。
 ある憲法学者の反応はというと、
   送信可能化にすることが、
   既に、送信可能化権侵害なんだから、
   そこには表現の自由は働かないんじゃないか?
とのこと。
 それじゃ著作権法憲法より上位の規範ですね。
 これでは憲法上の人権も、法令で侵害できる。

 殺人・傷害を伴う表現行為というのは、生命身体という憲法上の重要な人権と衝突するから、制限されるわけですが、著作権侵害を伴う表現行為が、著作権侵害という理由のみで、無条件に無限定に制限できるとは思わない訳です。
 著作権憲法上の位置付けを考えて、表現の自由(人格権・自然権・前国家的)VS著作権(財産権・法定・後国家的)の調整として、事後的な損害賠償や著作権法の差止請求なら許容されるが、刑事訴訟の強制処分という事前抑制という規制は許容されないのではないか?・調和点として合憲要件があるのではないかということが言いたいわけですが、理解されないようです。
 
 それなら、受信者の情報受領権の事前抑制で構成しましょうか?こっちは、適法と信じられているそうじゃないですか?

そもそも事前抑制禁止の原則は、表現行為と規制の「タイミング」という、規制時期・規制手段に着目した問題であって、原則禁止。表現内容に立ち入るのは「検閲」で絶対禁止。
 表現内容とか被害の程度とかを考慮して例外的に許容されるということですよね。
 どこか間違ってますか?

 CD輸入の規制も、憲法上は表現の自由の情報受領権の問題になりますが、そこでは、著作権VS表現の自由になるんでしょ?税関検査で差し止められたら事前抑制で争うんでしょ?
 この辺で考えてくれませんか>>憲法学者