児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被害児童のブログから発覚した事例

 学校が通報したということですね。
 被害児童は同種の行為を繰り返すし、口止めすることができませんので、被害児童が最大の端緒。
 客が性交等(性器接触行為・性交類似行為・性交)していれば、客も児童買春罪。
 性交類似行為・性交であれば、店は児童福祉法違反(淫行させる行為・児童淫行罪)。

キャバクラで14歳を働かす 経営者を児童福祉法違反容疑で逮捕 警視庁=東京
2007.02.17 読売新聞社
 14歳の女子中学生をキャバクラで働かせていたとして、警視庁少年育成課は16日、葛飾区新小岩のキャバクラ経営、容疑者(34)ら3人を児童福祉法違反の疑いで逮捕したと発表した。調べによると、望月容疑者らは昨年11月から12月にかけ、都内の公立中3年の少女2人(当時14歳)をホステスとして雇い、客の接待をさせていた疑い。
 昨年10月、都内の区立中学校から、「中3の女子生徒がインターネットのブログに『夜の仕事をしている』と書き込んでいた」との情報提供があり、同課などでブログの内容などを調べたところ、この少女2人を含む15歳以下の女子中学生4人が、同店で働いていたことが分かった。

女子中学生をキャバクラ嬢に 経営者ら3人逮捕
2007.02.17 産経新聞
 女子中学生をホステスとして働かせていたとして、警視庁少年育成課は児童福祉法違反の疑いで、容疑者(34)ら3人を逮捕した。
 「若い女の子を1人でも多く獲得することがほかの店に勝つ絶対条件で、確認しないまま黙認していた」と供述しているという。
 調べでは、容疑者らは平成18年11〜12月、いずれも15歳で中学3年の女生徒2人を雇い、接客させた疑い。働いていた別の女生徒(15)がブログに「夜のアルバイトに行っている」と書き込んだことから発覚した。

ブログで集客していた派遣型売春クラブ

 遊客の弁護人として、店のブログに、実は16歳の児童の写真が「A嬢(21)」として掲載されていたという事件を扱ったことがあります。
 刑事からは
   素顔はどうみても子どもやんけ!!
   児童だと知ってましたよなぁ!
と、責められて、そいう調書をあらかじめ印刷して待ってたりされましたが、結局、起訴猶予

 店は、公判請求されて、年齢不知+無過失を主張してましたが、あっさり有罪。

事件・事故:派遣型売春クラブを摘発 /京都
2006.11.16 毎日新聞社
 府警少年課と伏見署などは15日、派遣型売春クラブ経営の2容疑者を児童福祉法違反と売春防止法違反容疑で逮捕した。
 調べでは、容疑者は宇治田原町の少女(17)が18歳未満と知りながら、05年12月に売春の代金を分配すると約束。容疑者と共謀し、5〜6月に客の会社員らに少女を派遣し売春させるなどした疑い。ブログ(簡易型ホームページ)などで客を募集していたらしい。同署は余罪が数十件あるとみて追及する。

児童買春罪において年齢認識が要求される時点〜年齢聞いて迷ったが、ついやってしまった

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070219-00000033-mai-soci

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070219-158897.html
「年齢を聞いて迷ったが、ついやってしまった」と容疑を認めている。
 調べでは、容疑者は昨年6月21日、東京都国分寺市内のホテルで、伝言ダイヤルで知り合った当時16歳の無職少女(17)に2万円を渡し、わいせつな行為をした疑い。
 昨年10月に恐喝容疑で少女が逮捕され、容疑者の買春行為が発覚した。

 ここからは奥村070219説。
 児童買春罪の実行行為は
① 対償供与ないし対償供与の約束
② 対価関係に基く性交等
で、供与ないし約束で着手、性交等に至れば既遂。
 児童買春罪の実行行為になるためには、①の時点でも②の時点でも。児童であることを認識していなければならない。
 すなわち、成立要件は
① 児童との対償供与ないし対償供与の約束
② 児童との対価関係に基く性交等
となる。

 じゃあ、①と②の途中で知情した場合はどうなのか?
 奥村070219説としては、①がないから、犯罪不成立。児童と約束していない。性交直前までの児童と認識持って客観的に約束した時点を捉えて訴因としなければならない。
 裁判所の見解としては、おそらく、「①の約束というのは、約束ができているという状態でという意味だから、途中で知情した場合でも、それ以後は「児童との対償供与ないし対償供与の約束」という認識に欠けることはないから、児童買春罪の成立に問題ない。論旨は理由がない。」ということになると思います。
 しかし、奥村は、贓物保管罪・運搬罪・各種所持罪の知情みたいに考えるのは反対。
 約束というのは、ある時点をピンポイントで捉えて意思表示が合致したことを意味する。
 判例は、外形標準説だし。約束の後から知情という主観的要素が備わっただけじゃだめですよん。

名古屋高等裁判所金沢支部h14.3.28
 所論は,原判決は,原判示第2,第3の1及び第4の各児童買春行為について,対償の供与の約束をしたことを認定したが,証拠によれば,被告人にはこのような高額な対償を支払う意思はなく,詐言であったことが明らかであるとし,このような場合には児童買春処罰法2粂2項にいう代償の供与の約束をしたことには当たらないから,同法4条の児童買春罪(以下,単に「児童買春罪」という。)は成立しないという。
 しかしながら,児童買春は,児童買春の相手方となった児童の心身に有害な影響を与えるのみならず,このような行為が社会に広がるときには,児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長することになるとともに,身体的及び精神的に未熟である児童一般の心身の成長に重大な影響を与えるものであることから規制の対象とされたものであるところ,対償の供与の約束が客観的に認められ,これにより性交等がされた場合にあっては,たとえ被告人ないしはその共犯者において現実にこれを供与する具体的な意思がなかったとしても,児童の心身に与える有害性や社会の風潮に及ぼす影響という点に変わりはない。しかも,規定の文言も「その供与の約束」とされていて被告人らの具体的意思如何によってその成否が左右されるものとして定められたものとは認め難い。対償の供与の約束が客観的に認められれば,「その供与の約束」という要件を満たすものというべきである。関係証拠によれば,原判示第2,第3の1及び第4のいずれにおいてもそのような「対償の供与の約束」があったと認められる。所論は採用できない

阪高裁h15.9.18
http://courtdomino2.courts.go.jp/Kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocument
①については,被告人は,捜査段階において,携帯電話機を買ってやる約束をしたが,被告人名義で契約するわけにもいかないし,時間もないので,携帯電話機の代わりに現金を交付するつもりであったとの供述をしており,その内心の意思いかんにかかわらず,被告人がAに対して携帯電話機を買い与える約束をして性交に応じさせたことは関係各証拠に照らして明らかであるから,対償の供与の約束があったというべきであり,

市住家賃滞納で、室蘭市が「自分訴訟」実施へ

 「自分訴訟」って、「本人訴訟」かと思いきや、簡裁の許可代理人のことですよね。
 簡裁にサラ金の社員が来る事件。
 自治体の本人訴訟って、

  原告 室蘭市           
  代表者市長 甲野太郎

だから、市長が出廷することになるよね。

民訴第54条(訴訟代理人の資格) 
法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。

http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2007/02/19/20070219m_02.html
 室蘭市住宅課は市営住宅使用料の滞納整理を強化している。簡易裁判所への支払い督促申し立ては18年度2月15日現在で50件に上り、前年度の約5倍に達した。悪質な滞納者に対する最終措置として、弁護士を立てずに明け渡し訴訟を起こす「自分訴訟」も今後実施する考えだ。
 従来の滞納整理は訴訟により行っていたが、弁護士費用が高額で勝訴しても実入りがないという課題を抱えていた。弁護士費用は相場が1件につき50万円にも上るという。
 このため、平成17年度からは簡易裁判所を通じた支払督促制度を導入。初年度は滞納者(3カ月以上滞納)のうち、支払い能力がありながら市の催告に応じない滞納者に制度を適用、簡裁へ11件(滞納額215万円)申し立てた。結果、全員と分納誓約した。
 18年度は50件(同814万円)について申し立て、19件の強制執行権(差し押さえ)を取得した。滞納の最高額は40カ月で58万4000円にも上る。財産差し押さえにも一部着手し、42件が納入を開始した。現状で253万円を回収している。
 最終的に簡裁の督促にも応じない滞納者に対しては、自分訴訟の実施を行う姿勢。既に自分訴訟の担当職員を決めており、明け渡しと支払いの訴訟を起こす準備を整えている。住宅課は「費用対効果の観点からも実を取る滞納整理に取り組みたい」としている。
 市の滞納繰越額の推移は、平成14年度に1億円台に乗り、16年度の1億2000万円がピーク。以降減少しているが、市は財政難を背景にした自主財源確保の観点から、滞納整理を強化している。

 1件50万円って、弁護士会と調整したんですか?

地方自治法
第147条〔地方公共団体の統轄及び代表〕 
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。