児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

18歳の買春行為で懲戒された事例

 「不適切」といってますが、女性の行為は「売春」には当たる可能性があって、その場合、この警察職員の行為は、売春禁止法3条違反で違法(罰則無し)です。
 相手が18歳以上であっても、買春行為は違法であって、懲戒処分の理由になるということは覚えておきましょう。

http://www.shinmai.co.jp/news/20070217/KT070216FTI090003000022.htm
不適切な男女交際 県警が男性職員を懲戒減給処分
 処分は5日付。職員は2004年6月下旬から06年3月ごろにかけて、20代の女性に約20回、中信地方のホテルなどで性的な行為をした。その都度、現金数万円を渡したという。04年6月時点で女性は既に18歳だったため、18歳未満との同様の行為を罰する児童買春禁止法違反には当たらないとしている。
 県警は、職務中ではないが、道徳的に許されない行為をしたとして判断。県警監察課は「部下を指導すべき幹部職員がこのような事態を起こし大変遺憾。職務倫理の教養を徹底し、再発防止に努めたい」としている。

http://www.chunichi.co.jp/00/ngn/20070218/lcl_____ngn_____000.shtml
県警幹部職員が“不適切交際”
女性に現金、性的行為
 県警の調べでは、この幹部は二〇〇四年六月から昨年三月ごろまで、約二十回にわたり、二十歳代の女性とホテルなどでわいせつな行為をした。一回につき二−三万円を渡したという。県警は、十八歳未満の少女の買春を禁じた児童買春・ポルノ処罰法違反(児童買春)で捜査したが、二人が知り合った当時十八歳だったため、立件を見送った。
 幹部職員は事務職採用だが、警察官だと警部級で、妻もいるという。県警監察課は、不適切な交際をしたとして、職員を五日付で処分。同課は「部下を指導する立場にある幹部職員がこのような事態を起こし誠に遺憾。再発防止に務めたい」としている。

売春防止法
第1条(目的)
この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。
第2条(定義)
この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。
第3条(売春の禁止)
何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

青少年条例違反。逮捕時否認→略式命令

 消防士だとスポーツ新聞の見出しはたいてい「下半身の炎は消火できず」とか書かれます。

 行為否認してたのに。
 階段なのか海岸なのか、海岸の階段なのか?
http://maps.google.co.jp/maps?q=%E5%B0%8F%E7%94%B0%E5%8E%9F%E5%B8%82%E5%9B%BD%E5%BA%9C%E6%B4%A54%E4%B8%81%E7%9B%AE


10/31 犯行
1/19 逮捕 否認
2/上旬 略式命令 罰金40万円
2/16 懲戒免職

平塚の消防士を懲戒免職処分 少女にみだらな行為=神奈川
2007.02.17 読売新聞社
 平塚市消防本部は16日、本部消防総務課付の消防士(25)を懲戒免職処分にした。
 消防士は、昨年10月31日、小田原市の海岸で16歳の少女にみだらな行為をしたとして、今年1月19日、相模原南署に逮捕され、すでに相模原簡裁で40万円の罰金刑が確定している。

2007.01.20 毎日新聞
●消防士
 相模原南署は19日、平塚市消防本部消防総務課付の消防士、(25)を県青少年保護育成条例違反容疑で逮捕した。  調べでは、容疑者は06年10月31日午後6時40分ごろ、小田原市国府津4の階段で、出会い系サイトを通じて知り合った無職少女(16)にみだらな行為をした疑い。「性行為はしていない」と容疑を否認しているという。
 同署によると、容疑者はサイトにオレンジ色の救助隊の服を着た自分の画像を掲載し「年収800万円、身長186センチ、ソフトマッチョな消防士」と自己紹介していた。平塚市消防総務課は「人を助ける信頼の証しである救助服を使ったことは残念」と話している。

児童淫行罪で再度の執行猶予の事案・再犯の量刑

 執行猶予中に、児童淫行罪を犯した場合。
 刑法25条2項の要件を満たせば、再度の執行猶予も、ないことはない〜稀にあるという感じです。 
 どういう場合が「情状に特に酌量すべきものがある」かについては、前刑と本件の具体的事情になるので、弁護士に聞いてください。

刑法第25条(執行猶予) 
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。


 似たような質問で、「再犯の場合はどうか」というのがありますが、本当に刑法上の「再犯」であれば、執行猶予は付けられません。
 量刑についても、処断刑期が2倍になるので、それなりに重いです。

第56条(再犯) 
懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
2 懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。
3 併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。
第57条(再犯加重)
再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

ISP に顧客情報の保持を義務付ける法案、米下院で審議へ

 「児童ポルノ規制」を錦の御旗にすれば、なんでもできるような雰囲気です。
 日本でも、プロバイダに記録がないので救われる児童ポルノ・児童買春犯人が多いです。
 実体法を厳しくしても、証拠がなければ検挙できないのです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070216-00000009-inet-inet
プライバシー保護団体はこの法案について、表現に明確性が欠けているとして敏感に反応した。
Smith 議員らが提出したのは『 InternetStoppingAdultsFacilitatingtheExploitationofToday’sYouthActof2007 』(SAFETY Act) だ。同法案では、司法長官は ISP に対して顧客情報の保持を命じなければならない。Alberto Gonzales 司法長官は昨年来、児童ポルノを取り締まる司法省のキャンペーンの一環として、このような権限を 求めて いた。
この法案によると、ISP は最低でも、加入者の氏名、住所、電話番号、IP アドレスを保持しておかねばならない。これは「そのような情報の提出を求める裁判所命令があった場合、応じられるようにする」ためだ。
情報の保持期間は司法省が決定する。現状では、最低限の顧客情報を半年以下しか保持していない ISP が大半だ。Gonzales 長官は、最低でも2年の保持を求めるのが望ましいと述べたことがある。

性的虐待 初のアンケート調査

 児童淫行罪の際に写真・ビデオ撮る奴までいます。
 実子・連れ子・内妻の子の児童淫行罪は多くて量刑重い。
 発覚したとしても、犯人はいずれ復帰しますから、被害児童は帰る所がなくなりますよね。

http://www3.nhk.or.jp/news/2007/02/18/d20070217000121.html
父親などが家庭で子どもに繰り返しわいせつな行為を行う「性的虐待」は、児童虐待の中でも「最も被害が見えにくい」とされていますが、おととし全国の児童相談所に寄せられた通報は1052件に上り、10年前の3倍に増えています。この性的虐待にどう対応しているのか、医師や研究者で作る「日本子ども虐待防止学会」は、全国152の児童相談所に初めてのアンケート調査を行いました。それによりますと、58%の児童相談所が「子どもから被害の裏付けをとることが難しい」と答え、心に傷を負った子どもからデリケートな話を聞き出す難しさを訴えていることがわかりました。また、「父親が虐待を否定したり、母親が面接を拒否したりして家族の協力が得られない」という回答が51%に上ったほか、「子どもを家族から引き離して保護することが難しい」が15%、「子どもへのケアを続けることが課題だ」という回答も13%あり、児童相談所の多くが深刻な被害の対応に苦慮している実態が浮かんでいます。これについて、児童相談所の元所長で花園大学教授の津崎哲郎さんは「性的虐待は家庭の中で隠されてしまうことが多く、あまり社会で意識されてこなかった問題だが、子どもたちを救い出すために、児童相談所が警察や学校などと連携する仕組みを早急に作っていくべきだ」と話しています

 性的虐待の刑法的規制も、扱う弁護士いませんね。できれば目を背けて行きたいところです。その結果がこうなっています。