児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

[個人情報] [著作権法]ウィニー問題、パソコン情報管理の徹底呼びかけへ

 奥村弁護士は、なんかの学会で、「送信可能化の著作権侵害なんて財産権侵害だから基本的にお金で解決できるわけですが、名誉毀損児童ポルノ・選挙違反などの『流布犯』に使われる」って指摘した記憶があります。
 しかし、結局、著作権団体が騒いで終わった。
 今度は、個人情報とか機密漏洩で騒いで終わる。
 次は選挙違反でしょうかね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060315-00000201-yom-pol
ウィニー問題、パソコン情報管理の徹底呼びかけへ

 このままだとピッキングツールの規制のような法規制に進むのではないでしょうか?
 いつまで
  「全部ウイルスのせいだ」
と言い切れるかに注目しています。

[児童福祉法]ビギナーズ少年法

 安部哲夫氏が児童ポルノ・児童買春も家裁管轄にすべきだという立法論を述べている。

http://aserve3.procen.net/seibundoh/book_s/bookinfo.asp?No=2381
第14講 少年の福祉を害する成人事件
少年法第37条/少年法が規定する「少年福祉阻害犯」/風俗営業適正化法における「少年福祉阻害犯」/児童買春・児童ポルノ処罰法の成立と改正/出会い系サイト規制法/青少年健全育成条例/児童福祉法適用をめぐる問題/まとめ

ビギナーズ少年法

ビギナーズ少年法

「被害児童から被害届があってから自首すれば間に合う」という弁護士の回答

 バラバラの地域の相談者の口から立て続けに出てきました。

相談者「児童買春してしまいました。逮捕されますか?逮捕されないように何かしておくことはありませんか?」
弁護士「被害届がでてからでいいじゃろう。何かするとしてもそれからでいいじゃろう」

 まあ、普通の弁護士はこういう感覚なんでしょうね。
 親告罪じゃないので、被害届とか告訴なんてなくても、端緒が得られれば、最初から逮捕状持ってきます(あるいは事情聴取に呼ばれた時には逮捕状を持って待っている)。
 児童買春罪が重い罪であること、証拠隠滅のおそれが高いと思われていることから、発覚すれば原則として逮捕される覚悟でいてください。
 やっちゃったことが重大なので逮捕されてもしょうがないと思います。

41歳中学教諭を逮捕 静岡・藤枝

 児童ポルノ・児童買春のフルコースやっちゃうと重いんですけどね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060315-00000036-mai-soci
容疑者は昨年12月、静岡市内で高校3年の少女(18)に現金を払って買春。さらにわいせつな写真を多数撮影し、知人男性に提供するなどした疑い。
毎日新聞) - 3月15日11時37分更新

 買春罪→製造罪→提供罪は、それぞれ併合罪

追記
 続報。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060317-00000124-mai-soci
<買春教諭>少女ら100人分のわいせつ画像を販売 静岡
容疑者(41)が、自ら撮影した少女ら約100人分のわいせつ画像を、知り合いのインターネットの成人向けサイト運営者に販売していたことが、県警富士宮署などの調べで分かった。

 「児童ポルノ・児童買春裁判例データベース」で「製造」を検索すると、実刑判決がズラリ。執行猶予期間も長い。

福岡地裁H16買春製造→実刑
高松地裁H17買春製造→実刑
秋田地裁H12買春製造→実刑
札幌地裁H15買春製造販売→実刑
金沢地裁H13買春製造販売→実刑
名古屋高裁金沢支部H14買春製造販売→実刑
横浜地裁H16製造所持→実刑
静岡地裁H17買春製造→執行猶予5年
名古屋地裁H12買春製造→執行猶予5年
千葉地裁H15買春製造販売→執行猶予5年
金沢地裁H17買春製造販売所持→執行猶予5年
大阪地裁堺H17製造買春脅迫→執行猶予5年
千葉地裁H15製造販売→執行猶予5年

 同種事案で実刑と執行猶予の境界線は何か?
 被告人は腹をくくって、弁護人は裁判例との事例比較によって情状弁護のヒントを得て、できるだけ有利な処分を目指す必要がある。
 なお、児童ポルノ・児童買春のフルコースの場合、裁判所は罪数処理(処断刑期の決定)に悩むので、その点についても、有利な主張を行えば、効果が見込める。

[著作権法]捜査資料の暗号化検討=個人情報流出で岡山県警

 警察庁の広報のPDFごときでもパスワードかかっていることがあるのにね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060315-00000064-jij-soci
同県警は捜査資料の暗号化など、必要なセキュリティー対策を検討する方針を示した。15日の県議会産業労働警察委員会で明らかにした。
時事通信) - 3月15日14時0分更新

[著作権法]―最も確実な対策はWinnyを使わないこと―

 winny自体とかwinny利用行為自体の責任は問わないようです。
 使うなと言えばいいのに。

http://www.bits.go.jp/
http://www.bits.go.jp/press/inf_msrk.html
Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について
平成18年3月15日
内閣官房

 近時、ファイル交換ソフトウェアWinnyでやりとりされるファイルを介して感染するコンピュータウイルス(Antinny)により、政府機関や企業が扱う業務資料や個人情報、さらには、パソコン利用者本人のプライバシー等に関する情報が、家庭のパソコンなどから流出する事案が多発しています。
 Antinnyは、利用者がそれと気付かずに、あるいは安全であると勘違いしてウイルスに感染するよう巧みに仕組まれており、現状ではAntinnyによる被害を防ぐための技術的に完全な対策はありません。そのため、Winnyを使用している限り、情報流出の危険を避けることはできません。そこで、インターネットを利用する皆様におかれましては、下記のとおりWinnyの危険性を認識し、適切に対応して頂きますようお願い申し上げます。

Winnyの危険性
―最も確実な対策はWinnyを使わないこと―
1.Winnyの使用は危険!
Winnyで入手したファイルは、誰が、いつ、どこで作成したのかもわからない信頼できないファイルです。悪意のある者にとってこのようなファイルにAntinnyを紛れこませることは簡単であるため、Winnyで入手したファイルを実行(ダブルクリック)したり、閲覧したりすることは非常に危険です。
Antinnyが入ったファイルは、紛らわしいファイル名であったり、アイコンを偽装するなど、人間の心理を巧みに利用し、誰もが、つい、実行(ダブルクリック)したり閲覧したりしたくなるように仕組まれていますので、Winnyを使用してファイルを入手することそのものが危険です。
・パソコンを電子メールやウェブページの閲覧などの通常の用途で使用している場合であっても、個人のプライバシーに関する情報や重要な情報がパソコンの中に入っているため、Antinnyによる情報の流出は絶対に防ぐ必要があります。そのための最も確実な対策はWinnyを使わないことです。

2.最新のウイルス対策ソフトやオペレーティングシステム(OS)を使用していても危険!
Antinnyの中には、最新のウイルス対策ソフトでも対応していないものも多くあるため、最新のウイルス対策ソフトを使用していても安心できません。
Antinnyの大半は、OSのセキュリティホールとは関係なく感染し情報を流出させるものであるため、OSを最新の状態にしていても被害を防ぐことはできません。
・また、ウイルス対策ソフトが対応していないAntinnyも数多くあることから、ウイルス対策ソフトでは完全にAntinnyの感染を防いだり、検出・削除したりすることができません。そのため、確実にAntinnyに感染していないと言えるようにするためにはOSをクリーンインストールする必要があります。
クリーンインストールとは、ハードディスク上のソフトウェアやデータを完全に消去してから、OSを再びインストールすること。なお、クリーンインストールした後は、OSをアップデートして最新の状態にするようにしましょう。

3.自分がWinnyを使用していなくても危険!
・パソコンを家族と共同で使用している場合は、自分がWinnyを使用していなくても、自分が知らないうちに家族がWinnyを使用している可能性があります。そのため、日頃から家族のパソコンの使用状況を把握し、家族がWinnyを使用していないか確認するようにしましょう。
Winny以外のファイル交換ソフトウェアについても、上記と同様の危険性があります。

(添付資料)
資料1 昨今頻発しているWinny利用による情報流出とは
資料2 身に覚えのない情報流出の典型例
資料3 コンピュータウイルス(Antinny)の脅威
資料4 あなたは大丈夫?(今すぐできるセルフチェック)
資料5 対策参考リンク集
(参考) Winny及びAntinnyの検出・削除方法等

報道発表資料
本件問合せ先
内閣官房 情報セキュリティセンター
担当:大矢参事官、佐藤(隆)、川口
電話:(直通)03-3581-3768 FAX:03-3581-7652

牛歩戦術

 執行猶予中の再犯の人の場合、執行猶予期間終了が見えている場合は、執行猶予期間を満了させる作戦というのがありますよね。
 道徳的にはどうかと思うのですが、合法的なので可能です。
 まず、控訴・上告の審理に必要な期間が約7ヶ月。(児童ポルノ・児童買春事件の場合はもっとかかります。)
 満了までの期間からこの期間(7ヶ月)を差し引いた期間を使って「慎重」に一審で審理してもらうことができれば、前刑の執行を逃れることができます。
 中には最初の国選から私選に交代したりして国選弁護人選任の期間を稼いだりする場合もあるらしいです。
 裁判所にも時間稼ぎが見え見えなので、ほどほどにしないとだめです。

 執行猶予中の児童ポルノ罪の再犯→実刑というのも、時折、確定記録で見かけますが、あっさり確定しています。控訴して罪数処理を問題にすれば、確定までの月日が相当稼げます。
 最高裁が2年くらい考えていますから、お困りの方はどうぞ乗ってください。
(こうでも言わないと、判決出してくれないと思って、わざと挑発してみました。そろそろ迅速な裁判を受ける権利も問題にします。)

横浜地検の場合

 本庁も各支部ともなかなか見せてくれません。
 閲覧拒否なんて、もう理屈じゃないですよ。
 たとえば↓の事件の判決書(固有名詞をマスクしたもの)は、奥村弁護士にいまだに不開示です。全部。

http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/4203877CBE8C4D1649256DA5000FD198/?OpenDocument
◆H15. 3.28 横浜地方裁判所横須賀支部 平成14年(わ)第191号 殺人,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
事件番号  :平成14年(わ)第191号
事件名   :殺人,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判年月日 :H15. 3.28
裁判所名  :横浜地方裁判所横須賀支部
第2 平成14年2月23日午前3時ころ,神奈川県藤沢市ef丁目g番h号所在のホテル「i」j号室において,テレホンクラブで知り合ったC(昭和61年0月00日生,当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,対償として現金1万8000円を供与する約束をして同児童と性交し,もって児童買春をした

 不許可の理由は紙ではくれませんが、最初の理由は、
   事件番号と判決日と罪名では事件が特定できない
 支部だし、そんなに同じ日付で同種事件が何件もあるわけないと思うんだけど。

 最近の理由は
   児童ポルノ・児童買春とは別の罪名が含まれている。
と聞いています。
 わいせつ図画罪との罪数処理を問題にして閲覧請求しているのですが。

 不服だといっても

http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/4203877CBE8C4D1649256DA5000FD198/?OpenDocument
◆H15. 3.28 横浜地方裁判所横須賀支部 平成14年(わ)第191号 殺人,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
事件番号  :平成14年(わ)第191号
事件名   :殺人,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判年月日 :H15. 3.28
裁判所名  :横浜地方裁判所横須賀支部
第2 平成14年2月23日午前3時ころ,神奈川県藤沢市ef丁目g番h号所在のホテル「i」j号室において,テレホンクラブで知り合ったC(昭和61年0月00日生,当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,対償として現金1万8000円を供与する約束をして同児童と性交し,もって児童買春をした

に出てるのになんで見せないのか?とも言いづらいよね。最高裁webに出てるならわざわざ閲覧請求する必要性がないもんな。
 事件番号のリストで閲覧しているので、こんなこともあるのです。
 一応、準抗告してみるか。

津地検の場合

 ここも事件番号と判決日と罪名では記録が特定できないそうです。
 閲覧拒否されました。
 しかし、児童福祉法違反の事件は、年1〜3件しかありません。
ということは

津家庭裁判所 平成13年(少イ)第1〜3号
津家庭裁判所 平成14年(少イ)第1〜3号
津家庭裁判所 平成15年(少イ)第1〜3号
津家庭裁判所 平成16年(少イ)第1〜3号
津家庭裁判所 平成17年(少イ)第1〜3号

で、ここ5年間の児童福祉法違反事件が網羅されます。
 倉庫から全部出して来ても15件ですよ。手数料払うんだから探してよ。
 という趣旨で準抗告出しました。7件同じ文面です。
 
 別に怒っていません。
 準抗告された裁判所は、事件番号と判決日で事件特定できてしまうので、「事件特定できない」という保管検察官の言い分は通らなくなるし、認容されると手数料も不要になるというメリットもあります。


 そもそも刑事確定訴訟記録法は刑訴法53条4項の「別の法律で」にあたるわけで、「被告事件の訴訟記録」ですから、検察庁の番号(検番)で整理するのはおかしいですよ。

刑訴法
第53条〔訴訟記録の閲覧〕
何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。
②弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は、前項の規定にかかわらず、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があつて特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない。
日本国憲法第八十二条第二項但書〔政治犯罪・出版犯罪又は基本的人権に関する事件〕に掲げる事件については、閲覧を禁止することはできない。
④訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。